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2016年08月16日

「ルーズベルト・ゲーム」


最近、野球はプロアマ問わず、「打高投低」と言われて久しい・・。
とかく、ピッチャー受難の時代に、まさに突入しているようである。


「ルーズベルト・ゲーム」

《 盛岡大付属の4番打者、塩谷選手。解説者さえも『ザ・4番』と言わしめるほどである・・。》


そんな「打高投低」の波は、高校野球においても例外ではない・・。

先だっての東邦と八戸学院光星の劇的な試合も打撃の強さが記憶に新しいが、
今日の第1試合、嘉手納と高知明徳の戦いも攻撃、いわゆる打撃が圧倒した内容であり、
第3試合目の盛岡大付属と鳴門の試合も、鳴門が6点差をもって9回裏、相手の攻撃に臨み、
そのまま行くかと思いきや、盛岡大付属の猛攻に遭い、スリーランホームランを含む4失点を
失い、なおも1死満塁とあわや、東邦高校の劇的な奇跡の再来か~と思わせた。

また、第4試合目の履正社と常総学院の強豪校同士の戦いも、今大会ナンバーワン左腕の
呼び声高い、履正社の寺島成輝投手と常総学院の打線との対決が注目を集めたが。
寺島投手は先発ではなく、試合途中からの登板ではあったものの、常総打線に得点を許し、
結果的には、常総打線が大会ナンバーワン左腕を打ち込んで勝利した内容であった。

その履正社の寺島投手だけではない。・・創志学園の高田投手や横浜の藤平投手など
今大会、好投手と前評判の高い投手がことごとく打撃の前に打ち砕かれているのだ。


ある高校の監督さんの話で、「終盤を抑えきることが難しくなった」と語ったが、
投手陣も疲れが見え始める時期ではあるが、終盤においては得点する確率が高く、
何点差リードしていても安心できない・・というようなゲームばかりなのである。

そんな打撃の目覚ましい向上は、その練習方法や子供たちの体格もパワーも格段と大きくなり、
あわせて金属バットの野球用具等の進化もその背景にはあるとは思われるが、
何よりも変わったのは、その高校野球自体の「戦い方」にあるのではないだろうか・・?

特に攻撃において、も「スクイズ」などといった1点を取りに行く戦法は次第に影を潜め、
得点圏にランナーを置くと、強打で得点をしていく様は、まさにプロ野球と同様で、
これこそ、打撃の向上・凄さを物語っていると言っても過言ではないだ・・。

いや、もしかしたら「自分が死んでも1点を・・。」との自己犠牲的な考え方に変わり、
自分の個性を、選手個々の能力に重きをおいての戦法に移り変わっただろうか?

まあ~それも打撃が過去の戦法さえも凌駕するほどになったからこそ為せる技・・。
またそれが可能となっている現実を目の前で突きつけられているのだ。

そして、ピッチャーを中心とした守りにおいては、「継投策」が重要ともなる・・。
一人で何試合も投げ抜くのではなく、投手を複数抱え、継投策で凄い打撃を迎え撃つ。
このこともピッチャー受難の時代を象徴しているように思えて仕方がないのである。


「ルーズベルト・ゲーム」という野球用語をご存じだと思うが・・。

大の野球好きで知られた、かのアメリカ第32代大統領のフランクリン・ルーズベルトが、
「野球は8対7で決着する試合が一番面白い・・。」と言ったことから、点を取られては取り返す
白熱したゲームをそう呼ぶようになった・・と言われている。

「10点取られても、11点返せばいい・・。」
過去に、そんな話をされていた学童野球の先輩監督から聞いたことを思い浮かべる。


・・果たして、これから「投高打低」の時代は再びやってくるのであろうか・・?





Posted by UMUサン at 22:50│Comments(0)
 
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