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2020年10月29日

おじいとおばあの願いは不変・・。


去った「第38回名護地区防犯大会」の大会2日目のことである・・。

試合前の練習を終えてベンチに戻る途中、「ご苦労さま。」と声をかけられた。
うちのチビッ子軍団メンバーのおじいちゃんとおばあちゃんである。
夫婦揃って一塁側のファールグラウンドあたりに椅子を並べて仲良く座っている。

「あら、近くに寄って一緒に応援したらいいですよ~♪」 そうお誘いした。
すると「どうも若いご父兄に交じっての応援はね~。」 照れながらおじいが答える・・。


大会に限らず、練習試合などにも駆けつけてくれている・・。
「いつも孫の面倒を見ていただき、ありがとうございます。」 頭を下げられる。
「いえいえ・・。」 こちらも恐縮しながら頭を下げた。
「ほんとに野球を始めて学校も生活態度も良くなっています。」 そんな言葉に、
「いえいえいえ・・。」 ほんとマジに恐縮しきり・・。
「言うこと聞かないと『監督に言うよ~。』って言うと効果てきめんなんです~。」
「いえいえいえいえいえ・・。」 お褒めの言葉に頭が上がらなくなってしまった。

「今度是非、応援に来てやってください~♪」 やっと顔を上げてご案内申し上げた。


そして大会2日目・・。試合開始直前にその子に声をかけた。
「今日はおじいとおばあが応援に来ているぞ。頑張らないとな・・。」
「はい。頑張ります・・。」 表情が一層と引き締まったようにみえた。

そして試合開始・・。その子が第一打席を迎える・・。打席に視線をやると、
その子の視線の先は応援に来ているおじいとおばあの姿に向けられている。
今度はおじいとおばあに視線を移すと、おばあが胸の前で両手を合わせている。

「おじいとおばあが来ているんだ。絶対に打って喜ばせろ・・。」 自分も念じた。
しかし、そんなおじいとおばあの願いも届かず空振り三振となってしまった。


試合も進み、大量リードで迎えた次の回、早くも第二打席目が回ってきた。
しかも、無死満塁と絶好のチャンス・・。「今後こそは~!」 強振一閃・・。
放った打球がセカンド頭上を越え、右中間を深々と破っていく。長打コースだ!
「回れ回れ~。」 子供たちがベンチで大声を張り上げる。
必死にベースを駆け抜ける。おばあが椅子から立ち上がり、拍手で声援を送る。

大きな追加点を叩き出したツーベースヒット・・。
「ナイスバッティング~。」 声をかけ、おじいとおばあの方に視線を向けると、
おばあが椅子から立ち上がり、拍手をしながら小躍りして喜んでいる。
おじいは立ち上がらずとも、ここまで聞こえるかのような大きな拍手を送っている。

そんな嬉しそうなおじいとおばあに向かって、右手を上げてガッツポーズ。
するとガッツポーズが届いたのか二人とも立ち上がり、深々と頭を下げている。
「あ~良かった・・。」 二人のそんな姿に思わず涙がこぼれそうになった・・。


・・そう言えば、うちの親父もそうであった。
凛太朗や竜誠、あかりにとってはおじい・・。生前は凛太朗や竜誠の試合の
応援に来ては、その活躍を目に焼き付け晩酌の肴(さかな)にしていた。

庭の芝生で素振りの練習をしていると、踏ん張る足元の芝生に穴があく。
「もう~芝生に穴が開いてどうするの~?」 おばあがしかめっ面しても、
おじい曰く、「なんで~芝は植え替えればいいし・・。」 どこ吹く風の涼しい顔。

また雨の日、大広間で素振りの練習をすると「畳が傷つく~!」 おばあの声にも
またまたおじい。「なんで~畳も買い替えれば・・。」 子供らの素振りを見守る・・。

常に寡黙であり、大声を張り上げて声援することはなかったが、
ことある毎に球場へ足を運び、誰よりも子供たち(孫)を応援してくれた。
そして自分ら以上に子供たち(孫)の成長を楽しみにしていた・・。

・・・ま、今となれば叶わぬ夢となってしまっているのだが、
その子のおじいとおばあにかつての自分の親父の姿を重ねたかもしれない・・。


おじいとおばあの願いは不変・・。


「・・いつも厳しく優しく指導してくれてありがとうございます~。」
「いえいえいえ・・。」 こちらこそ子供らを応援してくれてありがとうございます。


我々はそんなおじいとおばあの願いに最大限応えなくてはならないのだ・・。





Posted by UMUサン at 21:50│Comments(0)
 
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