てぃーだブログ › サンガーズ奮闘記 › タフなネゴシエーター。

2020年07月29日

タフなネゴシエーター。


さて・・。先週末の練習試合での一幕・・。

「監督~試合に出たいです・・。」 A君(4年)が自分に申し出てきた。
まあ~このように申し出てくる子はこの子ばかりじゃない・・。
試合の状況にもよるが、毎練習試合ごと3~4名は申し出てくるが、
この日に限ってA君は最初っから自分の横に陣取り、意欲満々の様相だ。

「ん・・。ゲームの状況を見てからだね。」 いつもの返事で応戦したのだが、
「じゃあ~いつ?」 さらに食らいついてきた・・。なかなか引き下がらない。
「・・だから、試合状況をみて・・。」 すると自分の右肩を叩いてきた。
もう~って思いながらその子に目をやると右手で「ピースサイン」を送っている。

「??」 なんだ?このピースサインは・・?って思っていると、
「出場させてくれたら20円あげる。」 なるほど・・。20円のピースのことか。
何と交渉のテーブルに金額を提示・・。なかなかの策士であるとお見受けした。

「なんだ。自分が希望するものの価値は20円しかないのか。」 交渉のテーブルにつく。
「じゃあ23円、あ、いや35円かな?」 何とも微増な金額を次々と提示してくる。
・・どうも自分の小遣いの範囲で支出できる金額を言っているらしい・・。

「いやいやまだまだ・・。接戦の状況において出場させるリスクが大きい。
いざと言う時の保険料も含めると数十円じゃ安いような・・。」 なんて独り言。

他のメンバーに比べ、入部してまだ日が浅い中、徐々に実力を発揮。
野球の経験はまだまだではあるが、持ち前の運動神経や身体能力は高い。
グラウンドより野山を駆け巡る方が、もしかしたらお似合いかも・・なんて思う。
しかも物怖じしないこともプラス点・・。何とか活かせないかと試行錯誤中。

それをどうにか開花させようと最近じゃいろんな場面で登場させているのだが。


試合中にも関わらず、そんな交渉の真っ最中、
「じゃあ~3万6千円ではどうだ!」 いきなり金額を上げ、勝負をかけてきた。
「お、了解。これなら交渉成立だ・・。では前払いで・・。」 彼に右手を差し出すと、
「・・クレジットカード決済じゃダメ?」 A君がバツ悪そうに微笑む・・。

・・さすが現代っ子・・。なかなかタフなネゴシエーターだ。


タフなネゴシエーター。


そんな中、試合も終盤に差しかかる・・。
相手にリードされている展開で代走に起用・・。大事なランナーで1塁に立つ。
すかさず彼の脚力に期待して盗塁をサイン。するとほとんどリードせず盗塁を敢行。
無事に2塁上に立つと今度はピッチャーの牽制球もお構いなし・・というほど、
無謀なリードをとる中、「大きい~!」 ベンチから注意喚起の声が飛び交う。

「もう~こいつは・・。」 ハラハラドキドキしながら見つめていると、
すると「監督との交渉が成立したんでランナーに起用したんじゃないの?。」
彼とのハード(?)な交渉のやり取りを一部始終見ていた父兄が一言・・。

「・・。」 それもそうだ・・。

その後、3塁へノーサインで盗塁したあと、ワイルドピッチでホームに生還。
何とか貴重な得点をあげ、それをきっかけにチームが奮起し逆転に成功・・。
そんな彼の活躍(?)が功を奏したのか、この試合を勝利に導いたのである。


試合終了後、帰る支度をしているA君に近づき、
「それでは先ほど約束した金額を・・。」 ニヤリとしながら右手を差し出すと、
「あら、逆転のきっかけは自分だったんで逆に監督から貰いたいよ~。」

今度は彼がニヤリとしながら右手を差し出してきた。


う~ん・・。改めてタフなネゴシエーターであったことは間違いない・・。





Posted by UMUサン at 20:40│Comments(0)
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。