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2017年05月24日

県大会に導いた男の話・・。

丁度、この時期だ・・・。中学校の最後の夏となる夏季総体の時期を迎えるたびに
この物語を思い出してしまう・・。何とも懐かしい青春の1ページとして深く刻まれている。


自分が名門(?)東江中3年時の野球部の頃の話である・・。

中学3年の4月下旬・・。最後の夏季総体を控えたある日、
「部活の顧問がいなければ、夏季総体の大会には出場できんぞ・・。」
野球部主将であった自分と副主将が職員室に呼ばれ、校長先生にこう告げられた。

1、2年時、顧問をしてくれた先生が3月をもって転勤・・。
その後任も定まらず、とうとう最後の夏を迎える時期となってしまった。

「おい、どうする~?」 副主将が職員室を出ながら心配そうな声を出す。
「う~ん、今、思案中だ・・。」 って言ったものの、あてがなく困ったことを覚えている。
引き続き残っている先生たちは、すでに他の部活の顧問をしているので無理そうだ。

・・しかも、あの当時の野球部といったら、学内でも「お荷物部活」状態であったし、
同時期を過ごした軟式テニス部と比べると、それは実績もモチベーションも雲泥の差、
どの先生方も引き受けたくない部活の顧問のひとつであったに違いない・・。

はた、こんなお荷物部活の顧問なんて見つかるだろうか・・?本当に心配になった。
あ~あ、少しは真面目に取り組んでおけば良かった~って思っても、後の祭りである。

その時、「・・今度転勤してきた古典のM先生はどんなだろう?」と副主将が口にする。
「え?う~ん・・。」 いかにも運動が苦手そうだし、大丈夫か~?って心配がよぎるが、
他に良い案がない・・。ダメもとでアタックしてみるか。そのまま職員室に逆戻りした。


「野球なんてやったことがないぞ・・。」穏やかな口調で返答する。
「前の学校だって『将棋サークル』を見ていたし。」その言葉にくじけそうになったが、
もう~この先生しかいない・・。「いいです。野球なんて知らなくても・・。」
いやはや何とも、もう~無茶苦茶なお願いとなってしまったのである。

・・野球のことを全く知らない野球部の顧問なんて聞いたことがない。
ま、自分らみたいなお荷物部活にはお似合いかも~なんて思ったりもして(笑)。
「練習も来なくていいです・・。試合の時だけ来てくれれば。」もう~何でも良しだ。
しばらく、M先生が思案した後、「仕方ないな~。」ひとまず了承を取りつけた。

いや~ひと安心・・。ホッとしたことを記憶している。

やっぱ案の定、M先生はほとんど練習には顔を出さない。
来てもジャージを着けている訳じゃないし、スーツのまま、足元もつっかけ草履。
ノックなんてもってのほか。アドバイスもなし・・。ま、そんなことは覚悟の上でしたんで。


・・そして、迎えた最後の夏季総体・・。
「先生・・、これです。」 オーダー用紙を渡す。もちろん自分で書いたやつ。
そうなのだ・・。オーダーは自分で考えて、発表は先生がやるってことになっている。

「え~1番サード◎◎、2番センター◆◆・・。」ってな具合で。
センターやサードのポジションもどこか知ってるかどうかも定かではない。
そんなことだから、サインも自分が出す。先生は眺めているだけ・・。

そんな中、奇跡が起こる・・。なんと我が東江中野球部は県大会初出場を決めた。
東江中創立初めて~って言っても、あの当時は創立3年しか経っていなかったんですが。

もしかして、名監督~?
いずれにしても、我がダメ野球部を県大会に導いてくれたのは真実である~♪


県大会に導いた男の話・・。


で、物語はまだまだ続く・・。時も流れて、自分らも無事に大人になったある年、
東江中3期生の同窓会。とある中学校の校長先生となっていたM先生を来賓としてお招きした。

あいさつをお願いしたところ、その冒頭にこんなことを言った。
「え~私が我ら東江中野球部を初めて県大会に連れて行った男です~♪」
会場は割れんばかりの大喝采~。特に野球部卒業生は大いに沸いた・・。

「自分が運動系の顧問をしたのも、この時が最初で最後だ。今では良い思い出になっている。
運動の右も左も分からないのに、野球部の監督に招いた君らに感謝している・・。」

・・思わず泣きそうになってしまったことをマジマジと覚えている。

さらに言葉を綴る・・。
「そして、あの時考えたオーダーは今でも覚えている・・。
1番サード◎◎、2番センター◆◆・・・。」って発表した。
「・・・。」それって先生じゃなく、自分が考えたんですけど・・。ま、いいか。

そんなダメ野球部を卒業した自分はすっかり野球の虜になって、今でも熱中している次第で。

そんな中、M先生から学びとったこと・・。
「野球をやるのは君たち・・。自分じゃない。」ってこと・・だろうか。
まあ~さらに深読みすれば、「自分で頑張れよ~♪」なのかもしれない・・。

そんな思いは、今でもずっと自分の中で息づいている。
(ま、そこまで考えていたとはどう見ても思えんが・・。)


・・とにかく・・。あの頃の思い出は今でも「鮮やか」であるのは確かなのだ~♪




Posted by UMUサン at 22:55│Comments(2)
この記事へのコメント
お早うございます。UMUサンさん。
この季節、中学中体連、最後の夏季大会が
想い出しますね~。中学生にとって集大成!
2年余の中学野球。
入学してからあっという間の時間だった。
学校行事等に追われながらも、
朝練、練習試合、大会と共に行動した、記憶が
蘇るのは他の父兄も同じ事だったはず。
それぞれの、各中学野球部、
想いを繋げチームメイト共に
いい、夏季大会であれ!!!
頑張れ中学生!!
Posted by 松田クラブOB at 2017年05月25日 08:26
** 松田クラブOBさん おはようございます。**

さあ~今週末より夏の最後の決戦がいよいよ開幕します。
迎える子供たち、支えてきたご父兄の心境はどのようなものでしょうか?
自分の過去の思い出に照らし合わせ、この一週間はいろんな思いが錯綜し、
落ち着かなかった記憶が蘇ります。

しかし、勝っても負けても栄誉は讃えたい・・。
願うことは、次につながる道しるべを是非ともつかみ取ってほしい。

全ての子供たちの健闘を祈っています~♪
Posted by UMUサンUMUサン at 2017年05月30日 09:01
 
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