サンガーズ奮闘記

さて、屋部中学校では、来たる１０月に行われる「第４２回地区陸上大会」に向けて、
２学期開始と同時に、練習が本格化してきている・・。

そんな中、うちのチビッ子、あかりですが、「ジャベリックスロー」に挑戦・・するようだ。




夏休み期間中、基礎体力づくりということで、練習は走り込みが重点。
真夏の炎天下、大変な練習をこなしていくわけだが、振り返れば、
あかりにとっては、この陸上の基礎体力づくりが大きな分岐点となっている。

中学校へ入学時、走るの苦手なあかりだったが、何故か陸上では「長距離部」に所属。
当然ながら選手として選出されることはなかったが、黙々と練習をこなした。
２年時においても「長距離部」・・。選手にはなれないまでも練習の成果が徐々に現れる。

・・そして３年次。彼女の心身機能は確実に向上し、２，３年前と比べると格段にレベルアップ。
バレーボールにおいても、その向上した心身機能が発揮され、また運動会でのリレーでも
先頭にいる風景は今まで見たことがないし、しかも、２回走ったという「走り屋」としての
代名詞ような感じをいただき、いささか驚きの連発であったのである・・。

「あかりがあんなに走れるなんて～♪」と、勝負にこだわるうちのばあさんの感嘆の声に、
自分自身、目の前の光景が真実かどうか、目をパチクリするほどであった（笑）・・。

それもこれも、やはり、これまでの陸上の練習の成果が確実に現れれていると、
信じて止まないのだ・・。


そんなあかりが、いよいよ進化のベールを脱ぐときが来たのである・・。
満を持して、ジャベリックスローに参戦。
今までの練習の成果を一本の「ターボジャブ」に思いを込めて投げ込む時だ。


というわけで、去った月曜日（３１日）「今日の練習はどうだった～？」とあかりに聞いた。
何やら今日の練習は、今帰仁中学校に投てき専門の先生（？）がいるらしく、
そこに行って、ジャベリックスローの手ほどきを受けたらしい・・とのことであった。

「うん。なかなかいいよ～って言われたよ。」用意した飲み物を一気に飲み干している。
「ほお～・・。」 ま、パワー系には強そうだと思ってはいたが、最初にしては好スタートだ。
「で、頑張れば、表彰台にも上がれるかも・・って。」にこやかに答えている。
「おお～、そうか～♪では、是非とも頑張らないとな。」って激励すると、「うん。」愛想が良い。

「・・・ってことらしいぞ～♪」 帰って来て、早速おかんに経緯を話すと、
「ほお～・・。良かったね～・・。」まんざらでもない様子である。
「こりゃ～、将来は『やり投げ』でもさせて、オリンピックでも行けるんじゃない～♪」と
自分得意の妄想が膨らんできた・・。「まさか～、まだやり始めだし・・。」おかんが呆れる。

風呂上がりのあかりに早速提言・・。「お前、高校行って『やり投げ』したら～？」
「はあ？」風呂上がりの濡れた髪を揺らしながら、何行ってるば～的な表情をしている。
「いやさ、やりを投げる素質があるんだったら、オリンピック目指せるんじゃない～？」とおとん。
「ふん。あかりはバレーやるし、それに今投げているのは『やり』じゃないし～。」とあかり。

「だから、これを機に練習して、高校行って本格的に・・、おい。話はまだ・・。」
人の話が終わらないうちに、自分の部屋へスタスタ戻っていきやがった。
「なあ～おかん・・。」振り返ると、あれ、おかんも台所に戻っているし。

「・・・。」一人ポツン。テレビの音がやたら大きく聞こえる。





「まあ～いい・・。」 煙草を手に取り、煙を燻（くゆ）らせる・・
将来、バレーであろうとやり投げであろうと、いろんな可能性があるのはいい。
その可能性について、妄想を膨らますのも悪いことじゃないし、むしろ楽しいもんだ・・。

「ふう～。」 煙草の紫煙の中、頭の中をさらに妄想が駆け巡る。
いずれは、アフリカ大陸をまたにかけた随一の「狩りの名手」で名を馳せて・・。


・・あ、いかん。妄想を膨らませ過ぎた。