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2017年01月16日

「見えざる力」・・。


さて、去った練習試合でのこと・・。

そこには「見えざる力」の存在が垣間見えたのである。


「見えざる力」・・。


この日の練習試合、4番に指名されたのは智大(5年)・・。
いつもだと皓太朗(5年)が定位置となっているが、その日の練習試合はお休み。
それならばと、新チームから好調な打撃を見せている智大に4番の役目を託したのである。

まあ~智大と言えば、4年時のBパート時代からから野球のセンスは非凡な力を兼ね備え、
合わせて走る力、投げる力、打つ力などの能力は上級生の中においても引けを取らず、
特に、打撃の力はチーム内でもトップクラスであり、将来の4番候補と目されている・・。

そうなれば、その野球センスや持ち合わせている走攻守を活かしていきたいとのことで
メンバー構成において、4番というよりは1、2番での力がもっとも期待できるだろうとして、
新チームとスタートしている現在では、リードオフマン的な役割で力を発揮しているのだ。

しかし本日の練習試合は4番が不在・・。そんなチーム事情と自分の個人的な関心でもって
今日の「4番」としての抜擢を決めたのだが、そこには「「見えざる力」が働いたのである・・。

しかし、その日の智大は違っていた・・。

我々の攻撃の場面。再三の得点機に打順が回ってくるも、その日は不発・・。
何かしら、いつもと異なる打席の雰囲気と大味なスイングに違和感を感じる。
ましてや得意のインコースまでもことごとく打ち上げ、凡打のヤマを築いていく。

「智大~、いつものスイングを心がけろ~!」と檄を飛ばすも、声が届かない・・。
いや、声が届かないのではなく打席で余裕がないのか、耳に入ってこないようなのだ。

そればかりじゃない・・。守ればミスを連発し、投げれば制球の安定感には程遠い。
結局、その日の2試合、一向に調子は上がらず、精彩を欠く一日となってしまったのである。

「今日の智大は何か変でしたね~。」と隣で腕組むコーチが首を傾げ、話しかける。
「う~ん・・・。」自分も腕を組み唸るも、その原因を何となく感じ取っていた・・。


そして、その日の居酒屋での反省会・・。
智大の親父に確認・・。「今日の智大は何かおかしかったね~?」 グラスを近づけると、
「・・はい。『4番』という立ち位置を相当意識していたようです・・。」 グラスを合わす。

聞けば帰り道、車の中で一言も発せず、黙りこくっていたらしい。
時折、目に浮かぶのも見られ、悔しい一日であったことを物語っている

「・・やはりな・・。」 乾杯した後、泡盛の味が苦く感じた・・。
彼の今日の不調の要因は、「4番」という立ち位置がもたらしたものであったのだ。

いわば、「4番」という「見えざる力」でプレッシャーが起動し、そのことが影響したと言える。
遠くに飛ばそうと必要以上の大振りなスイング、完全なるボール球に手を出し空振り三振、
なかなか結果が出ない打撃を気にするあまり、凡ミスの連発と不安定な投球内容・・など。
「見えざる力」に完全に翻弄されたのであろう・・。

しかしそのことは彼のせいじゃない・・。自分の責任も大いにある。
4番という攻撃の要におき、すぐさま結果を期待すると言うことではなかったが、
彼なら・・という自分の考えも「見えざる力」を増長させた一因ではないだろうか・・?


・・これから先、どのような立場・役目であるかは紆余曲折の暗中模索ではあるが、
今回の「4番」という「見えざる力」が働く役割以外に、一打逆転のチャンスであったり、
無死満塁、一打サヨナラ負けを迎えた大ピンチのマウンドであったり・・と、
今後、あらゆる場面で四方八方より「見えざる力」が襲いかかってくるのだ。
その時、それら「見えざる力」に打ち勝つ力を身につけてこそ、真の実力となるはずだ。

しかし・・だ。不満・不安をおくびに見せることなく、「見えざる力」を感じながらも、
寡黙に淡々と与えられた役目を全うしようとした努力と苦悩に労いの言葉を贈りたい・・。


一つずつ試練を乗り越えるたびに、ひと回り成長していくであろう彼の姿に期待したい。





Posted by UMUサン at 21:20│Comments(0)
 
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