サンガーズ奮闘記

先だって日曜日、３年生以下のチビッ子たちの練習試合・・。

とりあえず、その練習試合限りのキャプテンだが、るうか（３年）を指名した。

「え？るうか～？女の子だよ～。」 試合前のミーティングで子供たちが口を開く。
「なんで～？女の子じゃダメか・・？男の子同士だとケンカするし・・。」 みんな黙る。
「それと、監督は女の子が好きだからね～♪」　「・・・。」 呆れ顔に変わっている。
普段から、「女の子はすぐにレギュラーだ・・。」と言ってあるし（笑）。

練習試合前のミーティングの続き・・。
「会社で言うとだな、るうかが社長だったら、お前らは平社員と言うわけだ・・。
だから、社長中心にお互いに平社員同士、協力し合って頑張っていくぞ。」
「・・・。」 はあ～？監督何言ってるば～？的な表情を満面に醸し出している。

しかし自分同様、男であればきっと女の子を助けてくれるはずだ・・。







「るうか、キャプテンできません・・。」 なんて、突然の指名にも怯（ひる）んではいない様子。
ただ、「何考えているの～？」みたいに大きな眼（まなこ）でジッと自分の顔を見つめている。

最近では、自分の方に積極的に話しかけ、日々の練習も男の子同様、必死に食らいつく。
日一日、野球も上達するようになり、自分の意見もしっかりと言えるようになってきた。、

自分の女の子好きという贔屓（ひいき）目なくとも実力で勝負できるようになっている。
紛れもなく来年のチビッ子軍団にとって欠かすことのできない戦力となるはずだ・・。


「では、るうかはファーストね・・。」と告げると、「ボールが取れません。」不安そうな表情。
「やる前からできないじゃなくて、まずはやってごらん。ファーストもキャプテンも。」そう答えた。
すると、他の男の子たちがるうかに駆け寄り、いろいろとアドバイスをかける。
「挨拶の号令はこうするんだよ～。」とか「ジャンケンする時は握手してね・・。」などなど。
不安そうな新米キャプテンを男の子連中があれこれサポートする光景が見られる。

・・やはり自分同様、男であれば女の子は好きであるはずなのだ（笑）・・。


初陣となる練習試合は、６対５で勝利を収めた。
るうかキャプテンは、２打席見逃し三振、守備機会もあまりなかったではあるが、
攻守決めのジャンケンや試合開始の整列、ミーティングでの声かけなどをしっかりとこなし、
キャプテンとしての役目をひと通り果たしてくれたのだ・・。


練習試合後、「次の試合もるうかがキャプテン～？」 男の子数名が近づいてきた。
「そうかもね。監督が女の子好きってのは変わらないし、しかも試合にも勝っている。
これじゃ～文句のつけようがないじゃないか・・。今日のようにお前らがまた助ければいい。」
そう答えると、「えへへ♪」って、苦笑いしながら走り去っていった・・。

「あら～、まんざらでもない様子だな・・。」 やっぱ、あいつらも男なんだな。うん。

キャプテンっていうのは、何もみんなの先頭に立って引っ張っていくだけじゃない。
時には、キャプテンを助けてあげたい～というそんな気持ちをみんなから引き出し、
助け合うことによってチームがまとまっていく・・ってことだって考えられる・・。

そんな意味では、新たなキャプテン像になれる可能性を秘めている。


・・と言うわけで・・。　ろうか、しばらく、このやんちゃな野郎軍団をよろしく～♪