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2016年07月01日
夏の終わりに・・。
さて、「第98回全国高等学校野球選手権沖縄大会」が熱戦開催中・・。
そんな中、先だって小・中学校と共に野球を頑張ってきた父兄とばったり会った。
「・・自分らは最後の夏になりました~♪」 顔は笑顔であったが、どこか寂しそう・・。
高校球児まで頑張ってくれた子供らを必死に支えてきた親としては、最後の夏を迎えた
子供ら以上に悔しくも寂しい気持ちがいっぱいなのだろう・・。痛いほど分かる。
「そっか~・・。残念ではあるが、まあ~よくぞ2年半も続けてくれたことは嬉しいね。」
これが自分がかけられる精一杯の言葉。指導者として関わってきた自分の気持ちでもある。
そんな言葉をかけながら、ふと、「いつかは自分にもかけられる日が来るのでは・・。」と
不安な気持ちが沸き上がり、「いや・・、まだ・・だ。」って思い直し、強ばった笑顔をつくった。
「まあ~、本気で甲子園に行けるとは思ってはいなかったが、最後になってしまうと、
やっぱり残念だし、あ~、もっとこうすれば良かった~なんて思い返されるね。」って続ける。
それって後悔ね~って返すと、後悔ではないが本気で目指してきたか・・ということらしい。
例えば、日々の練習であったり、普段からの生活態度や学校生活や勉学であったりと、
甲子園に行くための準備を、心構えを常に念頭に入れ、精進してきたか~って振り返ると、
やはり、何かが足りなかったんじゃないかと思っているとのことである。
「う~ん・・、そうだね~。」 それを言われると自分の方だって多少の不安がよぎる・・。
・・かといって、行くための準備をした者全てが手に入れられることでもないし、
もしかしたら、準備をしていなくても手に入ったってこともあるんじゃないかと。
そのほか、いくつかの要素とタイミングが重なって、夢が叶うことだってありうる・・。
こうしたら必ず甲子園に行ける~ってことはないが、誰よりもどこよりも怠りなく準備し、
心構えを持ち、精進している方がその道は「近くなる」ってことは間違いないこと。
つまり、何も努力しなければ、その道は限りなく遠くなるってことだろう・・。
早く夏を終えた父兄は、そのことを言っているのである。
目標が叶えられないってことは、何かが足りなかったと、そう思わざるを得ないのだ。
10数年前、ある居酒屋で指導者として甲子園出場の経験のある先輩と一席を設けた。
酔いも回り始めた頃、その先輩はこんなことを言ったのを今でも覚えている・・。
「我々は準備も十分じゃないまま『行ってしまった。』。甲子園への準備は行くまでだけじゃなく、
甲子園を経験したそのあとにもかかってくる・・。そのことも大事だ。」と。
何を言わんとするかは、その時は分からなかったが、今では少し理解できる。
「しかし、子供らは子供なりに努力しただろうし、頑張ってきたはず。」 擁護っぽく言うと、
それは理解できる・・との話。行けなかったからといって何も得なかったってなれば、
一生懸命ひたむきに頑張った子供たちはやり切れないであろう・・。
いずれにしても・・。行けた行けなかった、足りた足りなかったってことはあるだろうが、
この2年半の間、子供たちが自分なりに頑張ってきたことは賞賛し、讃えたい・・。
「この頑張りを今後の人生に活かして・・。」って無駄にしたくはないという思いを、
正直、どこか心の片隅に抱えている自分がいることも確かである。
そして、最後の夏を目の当たりにした場合に備えて、耐えられるよう覚悟している自分もいる。
最後の夏を迎えた父兄の去りゆく後ろ姿に、自分の背中が重ならないよう願っていた・・。
Posted by UMUサン at 22:30│Comments(0)