サンガーズ奮闘記

マーリンズのイチロー外野手が１５日（日本時間１６日）、敵地パドレス戦で２安打を放ち、
日米通算４２５７安打（NPB１２７８本、MLB２９７９安打）として、これまでピート・ローズが持つ
歴代最多安打記録（４２５６安打）を抜き去ったという嬉しい一報が入ってきた・・。





・・ただ、その歴代最多安打という「記録」の捉え方については、論調は様々である・・。

当のピート・ローズは、以前から「日米通算は認めない。」との否定的な意見を発信し、
ヤンキースのアレックス・ロドリゲスに関して言えば、のイチローの素晴らしさを讃えつつも
「メジャーリーグは一つしかない」と言い放ち、あくまでも非公認記録というスタンスだ。

まあ～、この大偉業が純粋に讃えられ、その大偉業に「世界一」との称号が与えられれば、
同じ日本人として名誉なことだと誇りに思うのだが・・。果たして～・・？


それでは、世界のホームラン王と敬愛される王貞治氏の時はどうだったであろうか～？

王貞治氏が７５６号を打った当時、日本では「世界一」と評されたが、かのギネスブックでは、
球技においては、リーグのレベル等条件が必ずしも平等でないという観点から、競技全体の
世界記録という概念を認めておらず、確認できる最高記録と一定のレベルのリーグ戦における
記録を併記していることが多いらしい。

また、ハンク・アーロン、バリー・ボンズやジョシュ・ギブソンの記録と並んで本塁打記録の
ひとつとして記載されている。また、本塁打においては、球場の広さなども重要な要素となるが、
王の現役時代に巨人が本拠地としていた後楽園球場は、当時のメジャーリーグの球場と比較
しても著しく狭い球場であったと説明されている。

今でもそうであるが、米メディアの多くは日本の球場の狭さや投手レベルを引き合いに出して
王の偉業を「無価値なもの」とし、メジャーリーグでも非公認扱いとされている。
しかし、王を評価する声も多く、ハンク・アーロン自身は王の記録達成に心から敬意を表して
祝福し、王を尊敬するメジャーリーガーも少なくない。（王貞治・Wikipedia参照）


いずれにしても・・・、
イチローの記録にしかり、王貞治氏の記録にしかり、確かにNPBやMLBなど比較できない
分母的な違いはあれど、前人未踏の領域に足を踏み入れたことには間違いないことだ。

「誰が一番で誰が二番・・。」とか「NPBが下でMLBが上。」とかの記録の捉え方の話では、
せっかく大偉業を達成したことが、世知辛いランクづけの話に終始されることだけでは残念と
思うところなのである・・。

あ、いや、もしかしたら自分らのまだ知らない国で、職業野球（プロ野球）が存在し、
そこでの記録が５０００本打った～って選手だって出てくるかもしれない。
そうなれば「誰が一番」的な論争は、もはや収拾がつかないものになってしまうのではないか。


あの王貞治氏の８６８本のホームラン数も、「世界一」とは認定されてはいないにしろ、
多くの野球選手が敬意を表しているということは紛れもない事実なのである。

今回のイチローの大偉業が世界一ではなくとも、王氏同様に賞賛されるというのであれば、、
それはそれで素晴らしい記録の達成であり、誇らしく思う次第なのである・・。

・・いわば、「記録」より「記憶」に残る大偉業かもしれないのである～。


さあ～あと残すは、MLB通算３０００本安打・・である。
これもまた、数字的なことで言えば、もの凄い記録である。
しかし、そんな偉大な「記録」以上の「記憶」もまた、焼きつけてくれるのだ。


凄い「記憶」を刻ませてくれるイチロー選手から、まだまだ目が離せないのである・・。