サンガーズ奮闘記

先だって、凛太朗の愛知学院大の準硬式野球部からお知らせが届く・・。
春先に実施した久米島合宿のことやリーグ戦での優勝報告、ユニホームの新調報告など。
このような部活報告は、遠くにいて情報不足の我々にとっては唯一の情報源となっている。

「おとんは、大学では野球はしなかったの～？」 大学へ進学しても野球は続けたいと
意向のある竜誠から聞かれたことがある・・。
「う～ん、野球はしていたけど部活はしなかったな～。」 昔のことを思い浮かべる。


・・もう～３０年余のことなので、具体的なことはあまり覚えていないが、
途切れ途切れとなっている記憶の片隅に、懐かしい匂いのするような感覚となる。

確か、部活をしなかったのは、もう～高校野球で十分にやってきた・・ということと、
離れた地で生活する中で部活を続けるほど、経済的に余裕がなかったってことなどが理由。

学業（・・と言うほど頑張った訳じゃないが・・。）と部活の両立ではなく、
それがバイトであり、大学生活を満喫しようとの気持ちであったこと・・である。

・・とは言うものの、まったく野球から手が引けず、有志（大学の同級生）を集めて
一般の軟式野球チームを結成し活動した次第である・・。

そして、その野球チームは「美浜ランジェリーズ」と命名されたのである。

「ええ～、ランジェリーズ～！」って思われる方も多いだろう。
自分らの大学が愛知県美浜町ってところにあったことと、のちにチームの主将の彼女が
名古屋の松坂屋というデパートのランジェリー売り場でバイトしていた・・ってことが
命名の由来ではないかって曖昧な記憶の中から引き出したのではあるが。

この名前には幾度となく恥ずかしい思いをしてきたわけで、
ある日の町内の野球大会に出場した時の抽選会の時も白い目で見られたし、
試合会場の確認で大会事務局に電話した時も、「え？チームの名前をもう一度・・。」って
二度聞きされたし・・。「もう～チーム名、変えようぜ～！」 何度か激論を交わした。

しかし、我ら貧乏学生集団にとっては、新たにユニホームを買い替えるほど、
経済的な余裕もなかったし、また、奇抜なチーム名が故、相手チームに覚えられていたなど、
チーム名変更の検討をされながらも、諸所の理由であってそのままにしていた訳で・・。


そんな中、チームのメンバーと言えば、１年次の同級生が中心となって構成・・。
高校までの野球経験者は自分含めてわずか２人だけ。
あとは卓球部出身であったり、「遊」部であったり、中にはルールさえ知らない奴もいたりして、
チームとしての実力はまったく０（ゼロ）状態であった・・が、楽しくてしょうがなかった♪
「野球をこんなに楽しめたのも初めて～♪」とさえ思ったほどである・・。

そんな、ど素人軍団のチームが隣町の大会で見事に勝ち抜いてベスト４に進出を成し遂げた。
迎えた準決勝戦では、地元の居酒屋チームに完敗・・。しかもノーヒットノーランのおまけ付き。

・・あとで聞いた話だが、
その居酒屋チームのエースがプロ野球でも活躍したことのある有名なピッチャーだったらしく、
引退後は地元に帰り、居酒屋を経営。チームを結成し、今でも野球に勤しんでいるとのこと。
「・・・・。」 それじゃ～勝てんわ・・。投げる球がハンパなかったな～って覚えている。

そんなわけで、大学在学中は、このメンバーで卒業する日まで野球を楽しんだ。
今でも忘れられない懐かしの「ランジェリーズ」の思い出である・・。


「・・とまあ～、おとんの大学時代はそんな野球だったな～♪」 振り返る。
「・・・アホだね。」って、竜誠がそんな表情を見せる。

凛太朗も最初の頃は、「野球はやらない～。」って野球道具一式を置いて旅立ったが、
そんな時間も経たないうちに、「やっぱ、野球道具送って～♪」との連絡が速攻で入ってきた。
「だろ～♪」 やっぱりな・・って笑みを浮かべながら荷物を送った・・。

竜誠だって、どんな形であろうと野球は続けていくだろう～。
いつまでも、いくつになっても野球に携わるのはある種、我らの宿命かもしれない。




《・・今なお、進化し続ける村田兆治・・。うん、こうなりたいもんである。》


ちなみに、今年で大学を卒業して３０年目を迎える・・。
「今年で３０年目になるよ～。」 春先、沖縄に遊びに訪れた大学の友人ら家族と、
久し振りの再会にお酒を酌み交わしながら、そうつぶやいていた・・。

ま、解散はしていないんで、「美浜ランジェリーズ」も３４年目の年となる。
この節目の年に再び集結できたら・・と思うと、夢が広がる。


我ら、懐かしの「美浜ランジェリーズ」よ、永遠に～・・であるな♪