
2015年08月04日
「意志を受け継ぐ者」となるか・・。
先週金曜日(7月31日)、こんなことがあった・・。
この日、早めに部活を終えた竜誠と一緒にテレビを観ていると、
「おと~ん、これからテレビなに観る~?」 竜誠がテレビのリモコンを手に話かける。
「なんだ、珍しい・・。」 いつもだと、そんなこと聞かないで、
自分の好きな番組や以前、録画していたやつを観たりするのだが。
「お♪ これを見よう~♪ おとんも観る?」 リモコンの番組一覧表に視聴予約を入れる。
「・・・ん?」 どうせまた、ももクロかアイドル系が出演する類(たぐい)のものだ・・と思って
テレビ画面に目をやると、毎週金曜日9時からやっている「金曜日のスマたち」ではないか。
しかも、その日の金スマの内容が「ダウン症」についてのことだ・・。
「お♪」 いつの間にか身を乗り出していた。
番組では、マラソンランナーであった松野明美さんのダウン症である次男の子育てのこと、
そして、ダウン症を抱えながら世界的に有名になった天才書道家の金澤翔子さんのこと。
ここまでの二人のダウン症の子らの道のりをダイジェストで放映していた。
「・・・・」 竜誠と二人、テレビに釘付けとなった。
・・ま、自分は仕事柄、ダウン症の子らと関わったりしているが、
こいつがこのような番組を観る~・・なんて、正直驚いてしまった。
「なんだ、『福祉的な』ものに興味があるのか・・?」と、恐る恐る(笑)聞いてみると、
「うん。あるよ。」との返事。「・・・。」 竜誠の即答に不覚をとってしまった。
聞けば、学校の図書館で「自閉症」についてのシリーズ物の本を読んでいるらしい。
「・・マジか。」
思い起こせば、なんか記憶が残っている。
以前にこいつの部屋に入った時に、その本がテーブルの上にあったのを思い出した。
「お年寄りは、今はちょっと無理かもしれないけど、障害児だったらいけるかも・・。」って、
何となくそんな会話をしたような、しなかったような・・。
その日の金スマは、ダウン症を持つ親たちの心の葛藤などが赤裸々に描かれ、
歩みが遅くとも、障害を持つ子でも立派に成長し、それと共に親たちが成長していく姿。
見る者に大きな感動と勇気を与えてくれた・・。
「そう言えばさ・・。おとんの同級生にもよ・・。」と話しかけた。
自分の知り合いが重度の障害を持つ子を抱えながらも前向きに頑張っていることや、
有名企業に勤めていたが、障害を持つ自分の子のために勤め先を辞め、
自分の子が通う障害者施設に働き、障害者の就労支援に携わる同級生のことを話した。
「・・障害を持つ子を育てるって相当大変だし、その覚悟は想像を絶するぞ・・。」
問いかけると、「・・うん。分かっているよ。」と真面目に答える。
その後、「金スマ」を観ながら、福祉関係に必要な資格取得のことまで話が及んだ・・。
「どこまで本気なのか・・。」と顔色を伺いつつもアドバイス。
日々野球に部活に明け暮れ、勉強している姿なんてお目にかかったことがない。
普段からアホな話に花を咲かせ、未だかつて頭の中味は小学生か~なんて連想させる。
まあ~高校生ともなれば多少進学の話もするが、どこまで真剣なのかって思うほど不透明。
そんなこいつが、わずかながらではあるが、覗かせた将来への一筋の道・・。
それが本物かどうかは、まだまだ探っていく必要はあるのだが。
凛太朗は、教職への道をまっしぐらだし、あかりは目の前の高校受験に手一杯状態。
当面は、将来の道なんて先の先。これから定めてもらえばよい。
・・ま、一人ぐらい自分と同じような道を進むやつがいたっていいんじゃないかな~って
歳を取ってきたせいか、ここ最近、良く思っていることである・・。。

《・・いつになっても、こんな『笑顔』が見られたらいいね~♪ 》
「おとんみたいな仕事も大変だが、やりがいはあるぞ~♪」と誘い水・・。
「うん。考えてみる・・。」 またいつものようにスマホの画面に目を落としている。
今のところ、本気度はまだまだ推し量れないが、期待度が高まってきたのは確か。
・・ひょっとしたら・・。こいつが自分の「意志を受け継ぐ者」になるかもしれん。
Posted by UMUサン at 22:05│Comments(0)