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2015年01月20日

「野球解禁」の日・・・。


チビッ子チームに「練習禁止(野球禁止)」の子(2年生)がいる・・・。
・・あ、いや、「いた」って過去形が正しい表現であろう。


「野球解禁」の日・・・。

《・・チビッ子時代の竜誠・・・。幾度となく『野球禁止』になりかけた次第で・・。》


「なんで練習(野球)が禁止になっているんだ~?」ってチビッ子父兄に聞いてみた。
「なんか、約束事が守れなくて、親父が野球禁止にさせているようで・・。」とのこと。
詳しく聞けば、宿題はやらないとかお手伝いをしないとか、家での約束事が守れず、
野球ばっかやっている・・ってことみたいだ。

う~ん、野球少年にはよくある話である。
まあ~、家の者がダメだって言えば、そうせざるを得ない・・。


そんな話を聞いた後のある日。チビッ子の練習に顔を出すと、
「あれ~?」みんながアップしている中、その子がベンチに佇んでいるではないか。
「野球禁止になっているんじゃないか~?」と自分のカバンをベンチに置きながら尋ねると、
自分の方に向き直り、少し下向き加減でわずかにうなずいた。

野球禁止となれば、グラウンドに来ていても練習させる訳にはいかないので、
そのままベンチに彼を残したまま、自分はグラウンドに飛び出した。

・・しかし、気になる。
ちょくちょくベンチに目をやると、帰ることもなくベンチに立ったままで視線をやっている。
みんなが元気よく声を出しながらキャッチボールしている風景を凝視している。


う~ん・・。え~い~、ままよ! しょうがない!
たまらず「監督とキャッチボールするか。」とベンチに戻り声をかけた。
すると、一瞬嬉しそうな顔をして、そばに置いていたグローブと帽子をすばやく取って
一目散にグラウンドに駈け出して行くではないか。
「なんだ。野球禁止がかかっている割にはしっかりとグローブと帽子は持ってきているし・・。」

よほど野球がやりたかったんだろう。やりたいオーラがムンムン出ていた。
そんな彼の姿に・・、あ、いや、気合いに根負けしてしまった。

で、シートバッティング練習にも参加させた・・。
すると、自分の打席が終わると、自分から進んでコーチャーズボックスに立っている。
「リーリーリー。もっと出ろ~!」1塁ランナーに向かって一生懸命に声を張り上げている。
・・まるで、今まで野球ができなかった分、思いっ切り爆発しているような感じだ。


それからしばらく、練習に顔を出していなかったが、今日久し振りに練習に来ていた。
ん?練習に普通に来ているってことは、野球が解禁になったんだろうか?
そう思いながらグラウンドを見渡すと、1塁側のベンチの方にその子の親父の姿が目に入った。
目が合うと軽く会釈をしている。自分のいる3塁側のベンチに手招きした・・。

「もう~野球は解禁にしたのか~?」って尋ねると、
「はい。これからお願いします・・。」と照れくさそうな顔して答える。
「ま、自分の方からもしっかりと約束事は守るように言い聞かせるからさ。」とお願いした。

ノックを受けている姿を見ていると、人一倍声を張り上げて元気が良い。
本当に野球ができる楽しさ嬉しさを爆発させているようだ・・。
そんな様子を隣に座って見ている親父さんもなんだか嬉しそうな感じに見えた・・。

そんな親父さんの思いが少しでも伝われば・・。
そして、自分らの思いもしっかりと受け取ってくれれば、必ずや良いプレーヤーになるはずだ。


帰り際、その子に声をかけた。
「しっかり約束事は守れよ~。そうじゃないと今度は監督が『野球禁止』にするぞ・・。」
「・・はい。」キッチリと返事をしてくれた。

しかしまだ2年生だ・・。これからも紆余曲折はあるだろうが、
「目をつけている」んで、横道に逸(そ)れかけると叱咤激励をしていけるだろう。


・・そうなんだ。チビッ子軍団には野球以外のことの大切さをキッチリと理解させる必要があるし、
野球をやる前に、しっかりと野球がやれる環境を教えてあげることも重要だ・・。


「そんなことが一番大切なことだったな~♪」って。


その子の野球解禁の日に、一番大切なことを思い出した自分にそう言い聞かせた・・。





Posted by UMUサン at 23:27│Comments(0)
 
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