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2018年05月21日

「国際化」と「日本独自のマナー」の狭間で・・。

少し前の話ではあるが、興味のある内容であったのでお話したい・・が、
やや複雑で長くなることについてはご容赦願いたい・・。

去った4月1日(日)に、奥武山運動公園サブグラウンドで行われた
「全日本軟式野球審判技術研修会(講習会)」に初めて参加したのだが、
午前中の「座学」において、多くの時間を割いて語られたのが
「国際基準」と「フェアプレー」についてのことだった・・。
言うには、「国際基準に基づき、日本の野球はフェアプレーに徹しなければ。」
伝達講習指導者は、事あるごとにその言葉を頻繁に口にしたのである。

2015年に台湾と日本で開催された「第1回WBSCプレミア12」の話だったか、
ベンチ前のキャッチボールやキャッチャーがミットを動かすなどの行為を行った
日本代表チームに、「フェアプレーに反している」と非難の声があがったとのこと。
伝達講習指導者は、それを例としてあげ、「野球の国際化が求められている。」
そんな言葉が非常に印象的で、いつまでも耳に残っているのである。


そんな動きは、アマ球界にも浸透しつつあるようで、
一例で言えば、「打者は準備投球が終わるまで次打者席で待機すること。」など、
そんな一文が、競技者必携の「競技者のマナーに関する事項」に追加されたのである。

つまり、「その回の第一打者はネクストバッターズサークルで待機させる。」とのこと。
これは国際大会にて日本選手が、投手の準備投球に際して捕手の後ろ(横)から
投手の「球筋」を確認する行為が、国際審判員から「スパイ行為に等しい!」との
指摘を受けたことに対する措置・・ということらしい。
このことは、「野球の国際化」や「フェアプレーの観点」からということなのだ。

この「マナー」に関する措置は、学童野球においても適用されているのである。

そんな「野球の国際化」と「フェアプレー」が求められている中、
「全日本野球協会アマチュア野球規則委員会」から注目される通達が出された。

ここに、「反則投球に関する規則改定について」をご紹介したい・・。
(伝達講習会配布資料より抜粋)

「今年度の改正では、国際基準に合わせて『二段モーション』といわれる投球動作
に対しては、走者がいない時にはペナルティ(ボーク?)を課すことがなくなります。
つまり、走者がいない場合に違反しても、これまでのようにボールを宣告することが
なくなります。(中略)
今回の改正では、走者がいない場合は(二段モーションに対し?)ペナルティを
課すことはなくなり、これまでしばしば問題となっていた反則投球とする基準が
不明確、大会によって適用がまちまち等の混乱はなくなるはずです。
しかし、技術的な面においても、マナーの面においても、『二段モーション』は
望ましい投球フォームではないという考え方に変更はなく、我々(規則委員会)は
あくまでも正規の(ナチュラルな)投球動作の確立を目指すことに変わりはない。」

さらに、こう続けている・・。
「コリジョンルールの採用によって、捕手の『ブロック』というプレイがなくなったこと
により、『ブロック』という言葉も使われなくなってきました。同じように、我が国の
野球界から『二段モーション』という言葉が忘れ去られる日を目指したいと思います。」
・・・と締めくくられているのである。


我が国の「二段モーション」の始まりでは、何とかして打者のタイミングを外そう、
打者を幻惑しようとする投球動作がルーツである・・。
マナー面の問題として許されない投球動作を規制するため当時の規則委員会では
日本独自の(ルール?)を設けて対応してきたが、現在では打者にとって不利益を
与えるような問題はなくなってきているものの、ナチュラルな投球動作とは言えない
「二段モーション」と言われる動作が根絶されていないことも事実・・というのだ。

・・はた、この記述されていることにはどのような意味が含まれているのだろうか?

自分なりの解釈ではあるが、
「野球の国際化」が進展していく反面、日本独自の「マナー」とされていることが
「国際基準」とはみなされず、その「狭間」において戸惑っているように思える。

先述した「キャッチャーがミットを動かす行為」が、仮に日本の技術であったと
するならば、その行為は国際基準では「アンフェアー」とされ、非難を浴ることとなり、
一方、日本が反則投球として対応してきた「二段モーション」は、国際的には認められ、
そのルールに追随しなければならない・・というそんな「国際化」と「日本独自」に
培われたマナーなどの「狭間」に苦慮しているように思えてならないのである・・。


「国際化」と「日本独自のマナー」の狭間で・・。


アマプロ問わず、スポーツ界においては国際大会が多く開催されている。

そんな中にあって、これから日本が世界を相手に戦っていくためには、
やはり、「国際化」への順応は国際舞台において必要な条件のひとつであり、
この流れは、ここに来て急激に加速していると言っても過言ではない。

さあ~我々はこのことについて、どう向き合っていくのであろうか・・?


何とも・・。難しい話になってしまって恐縮である(詫)~。





Posted by UMUサン at 22:55│Comments(0)
 
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