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2018年04月11日
天ぷら談義・・。
去った月曜日・・。終業間際に「天ぷら」の差し入れがあった・・。
《・・我ら沖縄県民にとって、最高の『ソウルフード』である・・。》
「おお~♪」 しばし仕事の手を休め、テーブルの周りに職員が群がる。
すると、「なんか今日、元気がなかったけど~。」 おばちゃん職員。
「え?何が~?」 小皿にウイスターソースを入れてる最中に聞いてきた。
「いや、月曜日はいつも『野球』の話が聞こえるけど、今日はないからさ~。」
・・人が入れたウイスターソースを横取りしながら天ぷらをつけている。
あ~!せっかくソースを入れたのに、なに横取りしているば~!
ちょっとワジワジしながら、「ん~別に・・。」 素っ気なく答えた。
があ~、小皿のソースが少なくなっているし!ほんとにもう~。
「なんで今日は『野球』の話しないの~?」 ニタニタしながら天ぷらをほおばる。
「・・。」 黙って視線をやると何か知っているような表情・・。くっそ~。
「昨日からの大会で早々と負けてしまったんだよ!」 天ぷらに手を伸ばす。
あ~、人が取ろうとした魚天ぷらを先に取られてしまった~。
くっそ~!さっきから狙っていたのに。・・もう魚天ぷらがないじゃないか。
「あら、それは残念・・。サンガーズでも負けることあるんだ~♪」
おばちゃん職員はしっかりと魚天ぷらを右手に持っているし。
魚天ぷらがなくなったからではない。何故か隣から離れたくなった。
「・・で、なんで負けたの~?」 ほ~ら、来たぞ・・。この話題が。
「う~ん、なぜだろ?頑張っていたよ・・みんな。」 わざと平然な顔で答えた。
「ふ~ん、でもサンガーズらしくないってうちの甥っ子が言ってたよ。」
「あ。」 そうだ。このおばちゃん職員の甥っ子はあるチームのコーチをしている。
くっそ~バレバレじゃないか・・。一気にさんぴん茶を飲み干した。
「今に見とけよ~!」 強気に出たかったが、なんせ大敗した翌日。
しかも魚天ぷらがない・・。やたらデカい野菜天ぷらに滅入っている。
「ま、大体分かるよ。局長が『野球』の話をしない時は負けた時・・。
勝った時は真っ先に『野球』の話で盛り上がっているし・・。でしょ~。」
くっそ~!悔しいけど読まれている。態度や言動にすぐに表れているらしい。
たしかに言っていることは当たっている。
いつも勝てるとは限らないし、負けることは悪いことではない。
ましてや頑張った結果であるならば、仕方ないと割り切るしかない。
そうは思っていても、悔しい大敗の翌日ではまだ気持ちの整理がつかない。
・・いつかこの悔しさを晴らしてやる~って決心。今は我慢と忍耐のしどころ。
言わしたい奴は言わしとけ~なんて言い聞かせるように、天ぷらに手を伸ばす。
あ、さらにデカい芋天ぷらしか残っていないし~。ここでも撃沈するな~。
野球は負けるし、天ぷらはなくなるしでモーレツにへこんでいると、
「ま、うまくいくこともいかないこともあるよね。また頑張ればいいし・・。」
確保していたのか、おばちゃん職員の持っていた魚天ぷらを渡された。
「・・・。」 しっかりと自分の物はゲットしていたのね。・・さすがおばちゃんだ・・。
「なんか、局長が野球の話をしないと元気がないからやりづらいし。」
も~言いたい放題だな・・。ま、今に始まったことじゃないが、少し元気になった。
「分かった分かった。なるべく野球の話するよ~。」 待望の魚天ぷらをほおばる。
・・ん~。そうだな・・。少し気合いを入れ直すか・・。
天ぷらを片手にいろいろ考え事をしていたら、いつの間にか天ぷらがなくなっている。
あら、もうないのか~と思っていると、おばちゃん職員が紙皿に移している。
「もう~誰も食べないなら持って帰るよ~♪」サランラップをかけて持っていった。
かあ~、 まだ自分が食べているっていうのに・・。
「・・うん、なるほど。」 おばちゃん職員の後ろ姿を見ながら思った。
常勝軍団にするには、あれぐらいの「図々しさ」が必要かもしれないな。
Posted by UMUサン at 22:40│Comments(0)