初めてゲーム

UMUサン

2017年04月13日 22:55


ある日のチビッ子軍団の練習試合後、
ある新入部員のお母から、チビッ子チームのグループLINEに投稿・・。

「初めての練習試合に参加させてもらって楽しかったみたい・・。
見てて自分も(楽しかった?)。初めての野球観戦、ありがとうございます~♪」って。

・・この投稿を見て、何かしら嬉しいような・・、そんな気持ちにさせてもらった。


他のチームには申し訳ない気もするが、新学期になって「新入部員」が絶えない。
練習に顔出すたびに、「監督~、新しい子が入っています~♪」との報告。
「へ?」 グラウンドに目をやると新顔が交じってさっそく練習に精を出している・・。

「名前は何というの?」「何年生?おうちはどこ~?」がここ最近、定番の会話となっている。


そんな中、練習試合ともなると、まだ練習に参加して間もないが、
いっぱしの新品のユニホームを着こなし、颯爽(さっそう)とグラウンドに参上してくる。
・・親御さんも同席・・。そうなると練習試合に参加させない訳にはいかないだろう。

当然だが、練習期間も浅く、まだまだ満足すると言ったプレーはできていないが、
自分の子供らのプレーに一喜一憂。野球のルールもそこそこしか知らないと思うが、
声援がこだまする・・・。何となくグラウンドが活気に包まれている。

そんな様子を見ていると、自分の子、凛太朗や竜誠らが初めて練習に参加し、
初めて「ゲーム」に出た時の嬉しさがオーバーラップ・・。

ま、自分の場合は野球の経験者なんで、まだまだ子供のプレーに満足できず、
不満をおかんに報告すると、「・・まだ始まったばかりじゃない・・。」と一喝。
「・・・それもそうだ。」と苦い笑いした記憶まで蘇ってきた。

・・何はともあれ、新入部員にとって、初めての野球も無事にスタートしたってことだ。


学童野球はまず、「野球の楽しさ」を伝えることが大事なことの一つ。
そこに根本を置かなければ続かない訳でありまして、
その手始めとして、「ゲーム」を経験させることが重要なこととなる。
できるかできないかは、次に考えればいいこと。
ゲームを経験して、自分の力のなさを痛感し、次へのステップへとつないでいく。

上手になりたければ、ますます日々の練習に勤しむだろうし、
また、その練習の成果をゲームで発揮する機会がなければ、モチベーションもあがらない・・。
そんな子供らを支える親御さんにしてもそうだ・・。
子供たちを応援する機会の一つが「ゲーム」であることは間違いない。

しかし気をつけなければならないのが、日々の努力なし、自己研鑽なしでは、
「ゲーム」に出られない・・ってことも、どこかで理解させなければならない・・。
日々の研鑽なしで、誰でも平等に「ゲーム」は出られるものだと思われてしまうと、
野球に取り組む力を低下させるばかりか、推進力にブレーキや弊害が起こる可能性がある。


思い起こせば数年前・・・。
とある中学校の野球部の監督が、「3年生を中心に試合に出させる。」と公言したあまり、
3年生は「ゲーム」に出場する「保障」が得られたためか、練習は怠り、自己研鑽を影を潜める。

そんな中、下級生は普段どんなに頑張ってもその努力が報われないと悟ったのか、
下級生まで3年生と同様な現象が見られたなど、「負のスパイラル(連鎖)」に陥り、
名門校がその名を復活させるまで相当数の時間を要したとの話を思い出す・・。

安易に「ゲーム」を体験させることは、諸刃の剣にも成り得ることを肝に銘じなければならない。

中学、高校とだんだん野球にのめり込むうちに、やがて「ゲーム」に出られない、
レギュラーになれないなどの高い壁をぶち当たり、挫折することも多々経験してくるであろう・・。
それであっても我々は、初めて子供らが「ゲーム」に出場した時と同じ気持ちのように、
子供たちを応援し続けなければならないのである。







まあ~、そんな心配は、また今度に考えるとして、
チビッ子軍団がいつまでも野球の楽しさを感じ続けられるよう、
そして、父兄の皆さんがその子らをいつまでも応援できるように努めていく。

そんなことを改めて思い起こさせた、初めて「ゲーム」に嬉しさ満載のLINEのメッセージ・・。


我々指導者は、そのLINEメッセージにある思いを受け止めなければならないのである。