さて、チビッ子軍団と5年生チームとの紅白戦でのこと・・
なんと、思いも寄らない大接戦の様相。
・・結果、5年生チームが4対3と逆転サヨナラ勝ちを収めたが、手放しで喜べない。
過去にも何度か紅白戦を行っているが、ここまでの僅差は初めてのことである。
5年生チームにあわせて7イニングでの試合・・。5回までは2対0とチビッ子たちがリード。
Bパートの大会だと、この5回時点でチビッ子軍団の勝利である・・。
しかも、チビッ子軍団は選手も頻繁に入れ替えし、15名全員が打席に立つ方式。
そんな中の大接戦は、チビッ子たちの大健闘~というより5年生たちが不甲斐なさが際立ち、
5年生個々の子供たちやチーム全体としての向上に暗雲が立ち込める感じがしてならない。
当然だが、5年生チームのピッチャー胡珀からは、その急速に手も足も出ない。
また5年生打線にしてもチビッ子のエース湧斗からも凡打のヤマが積み重ねているのである。
「おいおい、どうした~?相手は4年生、チビッ子だぞ~!」
不甲斐ない戦い振りの5年生に野次を飛ばし、一生懸命に鼓舞するもさっぱり・・。
その反面、チビッ子たちは過去の対戦で大差の敗戦という痛い目に遭っているので、
今日こそばかりはと、闘志や元気を前面に出して、5年生に食らいついている。
・・次第にゲームの流れはチビッ子軍団へと向かう。
チビッ子軍団は四球で出塁したランナーを盗塁と相手バッテリー間のミスを誘い、2点を先制。
5年生たちは2点のリードで必死に追いかけるもなかなか追いつかない状況が続く。
反撃を開始したのは6回裏。2番手竜の乱調に乗じて同点とし、なおも逆転のチャンス。
しかし、追いつくだけで精一杯・・。勝ち越しのチャンスを活かせないのだ・・。
3対2でチビッ子軍団の1点リードで迎えた7回裏の5年生に攻撃。
内野陣のエラーと3番手煌典の乱調で無死満塁と1打逆転サヨナラの大チャンスを作るも、
智大、皓太朗が凡打し、2死満塁と逆に5年生チームが追い込まれる・・。
この場面に4番の胡珀がレフトへ浅いフライを放ち、万事休すと思われたが、
レフトに入っていた3年生が落球・・。2者を返し、かろうじて4対3とサヨナラ勝ちを収めた。
「・・・。」勝利チームに笑顔はない。湿った表情で最後の挨拶に向かう。
その後、5年生のメンバーを集めての緊急ミーティング。
「チビッ子たちが上手になったのか、それともお前らの向上がストップしたのか。」
予想もしていない今日の紅白戦の内容に、誰一人として声を発せず、黙っている。
「このままだとお前らに代わってチビッ子たちにポジションを取られてしまうぞ。」
「・・・。」それが現実になってしまったら・・・。危機感を感じてほしいと願う。
「たしか、この1年間の過ごし方が大切だって言ったはずだが・・。」続けて注文。
こいつらがチビッ子時代は、モチベーションも高く、向上心も旺盛で、何よりも必死であった。
それが上級生となった今では、そんな姿を見かけることさえ困難になってしまった。
去年の12月ごろ、この5年生たちのチビッ子軍団としての送別会での席上、
「来年のBチームは自分たちより強くなって下さい~♪」って5年生たちが口々に挨拶。
そんな5年生の偉そうな言葉を受けて、「・・心配するな。自分のことを心配しなさい。」と返す。
「来年はお前らより強くするから。」言葉を続けた。
それからその約束を守るため頑張ってきたし、チビッ子たちも必死についてきた。
・・だが、5年生はどうだろうか・・?
上級生となった今、さらなる向上心を持って臨むはずじゃなかったのか?
この1年間で素晴らしい成長を遂げるはずじゃなかったのか・・?
なんか残念に思う気持ちより、悲しい気持ちが先立ってしまい、言葉が詰まる・・。
「・・まだまだ立て直せる時期で良かったね~♪」傍らで聞いていた一人の父兄がつぶやく。
自分が思っていたことと同じ。・・これからどうするかである。
紅白戦なんて、どこが勝っても負けてもどうでもいいこと。
お互いを発奮させるきっかけになればいいのである・・。
この紅白戦が、これからの5年生が立て直す気概になれば・・と願ってやまない~。