さて、「第34回名護地区少年健全育成野球大会(防犯大会)」・・。
Aパート(高学年の部)は東江少年野球が宮里ブレーブスを大接戦の末、
2対1の逆転サヨナラ勝ちで撃破し、今シーズンの初優勝で幕を閉じた。
「今シーズン、初の金メダルです~♪」と東江少年野球のI監督の弁。
あら、そうだったけ~?って答えたが、振り返って見ると、
第132回春季大会はベスト8で敗退、第4回フラワー大会も同じくベスト8止まり・・。
第21回北部選手権で見事、準優勝に輝き、第133回夏季大会も準優勝の好成績を収める。
そしてご承知のとおり、今回の第34回名護地区防犯大会での初優勝ということになる。
「あら、ほんとだ・・。」 毎回、決勝の舞台へと上がってはいるものの、初の栄冠・・。
勝利の瞬間、ベンチ前に飛び出した子供たちやI監督、スタッフの歓喜のガッツポーズが
悲願の初優勝を達成した嬉しさを如実に物語っている・・。
・・思えば、ここにきて東江少年野球さんの実力と活躍は目覚ましい・・。
子供たち自体も平均的には小柄の選手が多く、どちらかと言えば迫力は感じない。
しかしだ・・。ピッチャーを中心とした守り抜く野球は名護ブロック内でも群を抜いているし、
攻撃も破壊力はないものの、ワンチャンスを得点に結びつける圧巻の集中力も備わる。
そして、何と言っても最も脅威と感じる持ち味は、その強靱な粘りである。
試合を決して諦めない姿勢は、何ものにも引けを取らない大きな戦力なのだ・・。
しかも、その強靱な粘りを演出しているのは・・、そのI監督本人なのではないだろうか?
どの大会でもそうだが、試合前の円陣にはI監督が中心に陣取り、
その周りを取り囲む子供たちに檄を気合いを飛ばしている風景を良く目にする。
時には、円陣の輪に入り、子供らと一緒に肩を組み、大きな声を出している。
・・そんな光景はなかなか見られない・・。
そして、そんな光景を見るたびに、自分の苦い思い出もよぎるのである。
今から12年ほど前・・。たしか、山浩大会ではなかったかと。
2回戦であるチームと対戦したとき、以前から負けたことのないチームに劣勢を強いられていた。
何をやってもうまくいかず、流れは完全に向こうへいき、反撃の兆しさえ見えない。
「・・今日はやられたな。」 監督であった自分自身が白旗ムードを漂わせていた。
・・結局、この試合は敗退。「負ける時はこんなものだ。」って大人目線で振り返る。
思いも寄らない敗戦に子供らは涙し、取り囲む父兄の気持ちの重さを感じる。
苦い思い出は、その大会での反省会の時に起きた・・。
あるお母さんが自分にこんな言葉を投げかけた。「今日の敗因は監督だ~。」って。
「チームの中で誰よりも早く諦めていたし、そんな空気を発していた。」って・・。
そんな言葉に衝撃を受けたのと同時に、はたと我に返り、酔いが一気に冷めた覚えがある。
「・・・。」 申し訳ない気持ちが充満し、それ以上、美味しいお酒が進まない。
「すいません。言い過ぎました~。」 そのお母さんが後日、詫びを入れにきたが、
「いえいえ。自分の方こそ・・。」と、逆に自分がお詫びを申し上げることとなったのである。
そんな苦い思い出以来、決して諦めない気持ちを持ち続けようと引き締めるが、
正直、挫けそうになったり、諦めそうになったりと実践できない場合も多々経験している・・。
そんな時は弱気を振り切るかのように大声を張り上げ、気持ちを鼓舞し、闘志を全開にする。
それは子供たちだけじゃなく、実は自分自身に対しても檄を飛ばしているのだ・・。
《・・宜野座高校、第98回夏の選手権より・・。》
まあ~、東江少年野球のI監督のような子供らと一緒に円陣を組むようなことを
自分がやると、それが逆に疑心暗鬼にさせてしまう恐れがあるので、少しためらってしまうが、
気持ちの上では、常にそのような気持ちを持ち続けたいと思い返させてくれるのである。
チームの強さの証明は、技術の高さや子供らの身体の大きさばかりじゃない・・。
決して諦めない気持ちやその姿勢、そんな気持ちを実践するかのような粘り強さ、
そして監督やスタッフ、子供たち、応援する父兄も含めての「チーム一丸」が証明している。
防犯大会チャンピオンの真の強さは、そこにあるのだと思わざるを得ないのである・・。
最強のチーム一丸を持つチームに対抗するには、やはりチーム一丸しかない。
それはどのチームにもチャンスがあるし、目指す時間はまだまだ残されているのだ。
さあ~、さらなる「最強のチーム一丸」を備えたチームの出現に期待したい~♪