先だって、「第5回北部学童ジュニア大会(第5回琉球セメント旗)」の最終日・・。
無事に大会も終了し、新聞社へ最終結果の報告や用具等の片付けを終えて、
「さ、帰るか・・。」って事務所を出る頃には、時計の針は午後4時をちょっと過ぎたあたり。
この日、午後4時30分には、我らサンガーズの打ち上げ会も予定されていたんで、
足早に駐車場に向かっていると、近くの芝生広場からボールを打つ音が聞こえてきた。
「ん?」急いではいたが、気になったもんだから車に乗り込むのをやめ、少し顔を出す。
すると、誰もいない芝生広場に父と子が野球の練習をやっている。
その様子は、ピッチャーとして父が傍らにボール一杯の買い物かご(?)を置き、
バットを構えている息子に向かって一生懸命にボールを投げ込んでいる・・。
まあ~、見るからにバッティング練習をしているようである。
・・で、よく見ると、知り合いの父とその息子であった・・。
「こんにちわ~♪」 しばし見学をしていた自分に気づいたのか、息子が挨拶してきた。
すると、その父親も気づき、帽子を取りながら手を休め、会釈をしながら近づいてきた。
早速、この日の大会の結果をお知らせすると、「あら。残念でしたね~。」と労ってもらう。
「いやいや・・。まだまだ実力不足ってやつですよ。」そう言いながら頭をかいた。
「・・で、いつもそんな感じで練習しているの?」おもむろにそんな質問をぶつけてみた。
「へ?」自分の突飛な質問に首をかしげる。
あ、いや、バッティング練習のことじゃなくて、親子で練習しているの~って意味である。
「あ、いや~たまに・・。お互い時間が空いて、タイミングが合えば・・です。」
自分の持っているグローブを叩きながら答えている。
聞けば、普段の練習では教えることができないので、たまに練習に付き合っているという。
「・・自分は野球ができないんで、教えることなんてできないんですよ~♪」照れ笑いを浮かべる。
だから、せめて子供の練習だけでもお手伝いを・・ということらしいのだ。
「ほお~・・♪」 感心してしまった。
子供のプレーを見て、何かとガミガミガミ~ってうるさく言うタイプもいれば、
一歩引いて見守り、子供の練習に一緒に付き合ってあげるだけ~とのタイプもいる。
ま、自分は絶対に前者の方だと確信しているのだが(笑)・・。
でも、子供からすれば、後者の方がいいかもしれない。
うまくできないプレーに納得しないのは子供たち自身であり、十分に分かっている。
「そんなに言わなくても分かっているよ~!」なんて叫びたいかもしれない。
子供が納得できない時、何も言わないで、ただひたすらに練習に付き合ってあげる。
ただただ子供のためにボールを投げてあげる、ノックしてあげる、素振りを見守る。
そんな寡黙のサポートが子供にとっては、良きアドバイスであり、良き指導者かもしれない。
そんなことを頭に浮かべながら、「じゃあ~頑張って・・。」と別れを告げた。
車に向かいながら振り返ると、さきほどの練習を再開。中断させて申し訳なかった。
しばし立ち止まり見ると、子供がミスヒットすれば、子供がスイングし直しフォームを確認。
その間、何も言わず待ち続け、子供が構えると、またひたすら投げ続けている。
・・そんな練習の繰り返し。これ以上見ていると邪魔になりそうだ・・。
それは決して「何も言わなければよい。」っての話ではない。
子供の自主性を重んじ、言いたいことも押し黙り、ただただひたすらに付き合い続ける・・。
親(指導者?)が納得するまでじゃなく、子供自身が納得するまで・・なのだ。
そして自ら考え、理解し、答えを探し出す力を身につける・・。それも一つの指導のカタチ。
・・我々はプレーヤーではない。・・子供たち自身がプレーヤーなのだ。
この父と子の光景・・、我らの打ち上げ会の時に、絶対に言おう~って誓った・・。