貴重な時間・・。

UMUサン

2016年03月28日 23:15


・・たしか思い起こせば、昨年もそうであったと思うが。
今年もチビッ子軍団を率いての2年目・・。

普段の練習にしろ、週末の練習試合にしろ、常時ヘロヘロと感じるまで声を上げている。

「こら~、しっかりしろ~!」「ここじゃない、そこってば~。」
「もっと声を出せ~!ゼイゼイゼイ・・。」と、まあ~。
グラウンドで一番に声を出しているんじゃないかって思うぐらい。

この前の練習試合だって、試合での采配をやらないといけないわ、
得点のたびにベンチ前に飛び出し、騒ぎまくる子供たちを制止しないといけないわ、
はたまた試合そっちのけで、追いかけっこしている子供たちを止めないといけないわで、
疲れ果てて放心状態になってベンチ横で立っていると、「トントン・・。」 腕を叩いてきた子。
振り向くと、「ねぇねぇ、お腹が空いたんで、おにぎり食べてもいいですか~?」だって。

「・・・。」はい♪ どうぞ~と、言い聞かせる気力もなくなり、されるがままのするがまま。
なかなか強敵揃いに太刀打ちする術が見当たらず、こちとら防戦一方なのである・・。

ま、一般的な小学校低学年っていうものは、こういうもんだろうな~と認識してはいるが、
このヤンチャぶりには、自分自身の鍛錬の場だと覚悟して臨んでいかなくてはなるまい。
「へこたれてたまるか~!」なんて、常に己(おのれ)に檄を飛ばしているのである。





そんな悪戦苦闘の中、先だっての練習試合でのこと。
この日は、A代表チームとチビッ子軍団が同じ場所で練習試合に臨んだ。

まずはA代表チームの練習試合が終え、チビッ子たちの試合が始まると同時に、
先輩たちがベンチになだれ込んできた・・。先輩と言っても新5年生の去年のチビッ子軍団たち。
そうなのだ。昨年、自分と幾度と激闘を繰り広げ、散々手を焼かせてきた連中なのである。

「監督~、今どんな感じですか~?」とベンチに座るや否や戦況を尋ねてきた。
その表情をみると、何かしらワンランク成長した顔つきだ・・。
「お、おお・・。」一瞬たじろぎながらも劣勢な戦況を説明した。
すると、「こいつらふざけているのでビシビシした方がいいですよ~。」と一丁前な言葉。
「どうも。甘やかして、どうもすいません・・。」 そんな言葉が口から出そうになった。

思えば、つい一年前までは同じような立場で、自分と激闘してきたのに、
あれよあれよと言う間に、後輩に物言う立場になったもんだと、
「何言ってる~、ついこの間までお前たちだって・・。」と言おうと思ったが、
せっかくの成長ぶりに水を差すことになるので、ここはしっかりと口をつぐんだ。

この時期の彼らは、我々が一年間で1m歩むのに、その何百倍ものスピードで歩んでいる。
その成長の速さに驚き、そして頼もしさと嬉しさを感じるのである・・。

今のこのチビッ子たちも、あと一年後には自分と激闘した日々が過去のものとなり、
「自分らの時はな~。」なんて、明日への後輩たちに檄を飛ばしているかもしれない。


昨日より今日、そして明日へ・・。檄を飛ばす声も次第に小さくなってくるはず。
その代わりに、子供たちの凄まじい成長に感嘆の声が大きくなるだろう。

また自分の方は、激闘した日々を懐かしみ、「あの頃はな~・・。」なんて、たぶんつぶやくね。

そう思えば、今の激闘していることは貴重な時間であり、
大変ながらも充実しているってことに他ならない・・。今しかできないのだ。

なんだか楽しくなってきた~。


「おら~、元気出せ~!」 今まで以上に声を張り上げる。
「???」 おい、監督が急にニコニコして元気になってきたぞ~・・と子供たち。

「なんか俺たちやったか? 気色わる~・・。」


まあ~、こんな貴重な時間が持てるのも、お前たちのおかげである~♪