「ビシバシ」の対象・・。

UMUサン

2015年07月15日 18:17


先だっての飲み会での話・・。

「監督~・・、子供らにもうちょっと厳しくやったらどうっすか~?ウィ~♪」ってな、
お酒もだいぶ進んだ頃、ほろ酔い顔を父兄の一人が提案・・。
「・・ま、チビッ子たちだし。ある程度、そこそこでいいんじゃない~?」軽く受け流した。
飲み会の場に遅れたんで、まだまだアルコールが体中に行き渡っていない具合。

「何言っているんですか~!」とまあ~テーブルまでは叩かなかったが、勢いよく起立。
何とも気合いが入っているな~と、まだまだ冷静に眺めていられた。

・・ことの発端は、去った夏季大会の準決勝戦の名座喜JR戦。
あまりにもふがいない戦いで、負けたことが悔しかったらしい。


「昔の話では、ガンガンやっていたらしいと聞きました。」とその父兄。
おいおい・・、いつの話だ~? 自分が監督やり始めの初期の話じゃないか・・。
「血反吐を吐くまで走らせたり、泣くまでノックを止めなかったりと・・。」
「・・・。」 そんなことさせたら、まるで鬼ではないか・・。そこまではいくら何でもやっていない。

「何だったら、監督の奥さんにお願いに行きますよ~♪ ヒック・・。」とまで言う。
「・・・・。」 もう~。

この話は・・、
今季、チビッ子軍団がスタートした時、あまりにも悪ふざけする子が多かったんで、
たまらず怒濤に怒って、練習時に約40分間、グラウンドを走らせたことがあった。
すると走っている間、泣き出す子もいたりして、「あ、少しやりすぎたか・・。」と反省。
ま、その後はこの「泣きの40分間走」が功を奏したのか、悪ふざけする子もいなくなり、
真摯に練習に取り組む子供の姿が出来はじめてきた・・と言うわけで。

そんなことがあったとおかんに話したら、
「・・チビッ子からそんな練習させて苦情がきたらどうするの~?」と心配顔。
「う~ん・・。」 やはりAチームとは違うし、さすがに自分もやりすぎたと感じた次第で。

で、この「泣きの40分間走」のことをおかんに話したら、そう言われたってことを聞いたはず、
だから、うちのおかんに厳しくやることを止めないで~ってお願いしに行くって話なのである。


「・・しかし、それは高学年の子供たちであって、チビッ子まではね~・・。」と優しく答える。
すると、「いや、ビシビシやってほしいってす。」 熱く語っている。
「でも、ある程度までは怒れるが、泣かしまではできないしな~。それは親がやらないと。」
「あ、いや、泣かしまでやっても構わないです・・。それが子供たちにとって・・。」と熱弁続く。

・・まだまだ続くか~この話。自分もそろそろアルコールが回ってきた頃合いだし、
そろそろ反撃に転じられるよう、体も温まってきた・・。

「よ~し、分かった。ビシビシやろう。じゃあ~まずは、親からだ・・。」と答えると、
「へ?」 意外な答えに、一瞬酔いが覚めたような表情をしている。

「あの頃は、子供たちにもビシビシしたが、親にも同じようにやっていたと思う。
審判させたり、キーパーや送迎の担当をさせたり、日頃の練習も手伝わせたりで、
子供たちの頑張りに親も一緒になって頑張り、応えてあげないと~ってな具合に、
親たちにもビシビシ意見を言ってきたつもり・・。またそんな感じで行くか~♪」と睨む。

「あ、はい・・。もちろん、頑張ります~・・。」 急にテンションが低くなってきた。
「よ~し、次からはあれやろう、あ、これもいいな~♪」って提案すると、
「・・・。」 防戦一方にさせて形勢逆転。苦笑いしながら泡盛を口に運んでいる。





たしかに、子供たちが現役でいると、その当事者の父兄は熱くなる。
何とか自分たちの時代は良いものにしていきたいとの思いは強くなる。
毎年そうだが、そんな思いは当然のことである・・・。

しかし、子供たちがしっかりと成長していくのは子供たち自身の力であり、
それを支えている親御さんたちの熱意でもある。それが根本にあるのだ。
我々指導者は、それを側面からお手伝いすることが役目。・・そう考えている。
あくまでもメインではないはずだ・・。

子供をサポートしていくと同時に、父兄たちもサポートしていきたいのである。


そろそろ酒宴も終わりに近づいてきたとき、
「これからもよろしくお願いします。」とバツが悪そうに、先ほどの父兄。
「いやいや、頑張ろうね~♪」って、後ろ姿を見送った。

子供たち同様に、父兄もビシバシ鍛えていく・・。


・・そう。親たちも強くなれば、子供たちも強くなるはずである~。