改めて・・ピッチャーの役割は大事である・・のは言うまでもない。
学童野球にしろ、中学や高校野球、そしてプロ野球にメジャーリーグと、
野球において「投手」の出来如何によって勝敗が大きく左右されるってことは
アマチュアからプロまで一貫としてその認識であることは周知のとおり。
特に学童野球などでは細かい制球力を求められることはそんなにない。
たとえあるとしても、それは全国規模の大会に常時出場する一握りの
名だたる強豪チームであるだろうし、各地方での小さな大会などでは
ストライクが入れば「投手」として十分にその役割を果たしている・・。
それがさらに低学年クラスのチームとなれば、「球の速さ」より「制球力」が
ピッチャーとしての大事な要素であり、まずストライクが取れなければ、
ゲームは荒れ放題・・。その労力はバッテリーのみに集中し、守る残り7名は、
全然飛んでこないボールをずっと待っている・・なんて風景も珍しくない。
そのようなことは我らサンガーズ軍団に当てはめても例外ではない・・。
「ナイスゲーム・・。」 そんなゲームの大多数はピッチャーの好投が顕著。
逆に頭を抱えるほどの酷いゲームはピッチャー本人も頭を抱える始末。
やはり、ピッチャーの出来如何でゲームの勝敗が左右することは、
身近で日常茶飯事、いつでもどこでも誰にでも起こりえる現象なのである。
ならば要因は明らか・・。ピッチャーをどうにかするしかない・・のだが、
これまた一筋縄ではいかないのが、どのチームも悩みの種となっているのだ。
「よし!ピッチャーをテコ入れしよう。」 そう考えるのはある意味必然なのだ。
「・・というわけでピッチャーの面倒を見るね。」 ある日の練習時のこと。
チームの全体ノックを任せて、自分は一人ずつ指名して投球練習を開始・・。
実際のゲームで投げている子、これから投げさせようと思っている子など、
数名に声をかけ、キャッチャー役として受けてみる・・と、なかなか個性的。
その反面、悪いところも目立つ・・。上体が立ちすぎていたり、ボールの持ち方、
踏み出す足のステップが極端に寄りすぎたり・・と、指摘事項が目白押し。
しかし指摘したからといってすぐに修正できるものでもないことは重々承知。
やがてストライクが取れなくなるとそればかりが気になり、手投げが始まる。
「しっかり腕を振ろう・・。ストライク入らなくてもいいぞ。」 笑顔を心がける。
「・・。」 本音を言えば、ストライクが入って貰わないと困るわけだが、
ここで檄を飛ばして、ピッチャーが嫌になってしまったら元も子もない・・。
敢えて笑顔を強調し、「いいよ~ナイスボール!」 そんな声かけに終始する。
まあ~ストライクが取れなくて悩むのは指導者ばかりではない・・。
ピッチャーしている本人だってそのことは十分に分かっていて悩んでいる。
だからストライクが取れるよう手投げをしたり、上から横から投げたり・・と、
自分なりに必死に工夫している姿が見て取れるのである。
今更ながら・・。ピッチャーには大きな励ましと理解が必要だと感じているところだ。
《・・ノーコンだった凛太朗・・。あの時、もう少し理解しておけば・・。》
ま、現役時代、ピッチャーの経験もないのに指導するのも気が引けるが、
これでもピッチャーの大変さは分かっているつもり・・。
チームの浮沈をどうするか?と、当然そんな意図もあるが、そのためには
ピッチャーを育成する過程でピッチャーの大変さを理解する気持ちが真っ先。
案外、思いも寄らぬ良いような結果になるような気がしてきた・・。
ストライクが入ればよし・・。いや、マウンドに上がってくれるだけでもよしって、
そう思わなければならないかもしれない・・ね。
ピッチャーさせられて、うまくいかなければ怒られて・・なんて。
ホント、ピッチャーはつくづく因果な商売だ・・と思っている次第・・。