「気づき」を築く・・。

UMUサン

2018年08月14日 21:50


いやはや何とも・・。子供たちやチームの状態なんて日々変わるもの。
昨日喜んだと思えば、今日はまたまた悩みの種が噴出・・なんて良くあること。

そんなことは、これまで幾多の歳月において十二分に経験したことではあるが、
毎年、毎月、日々の繰り返し。・・改めて気づかされていることに、
「・・自分らも学習していないんだね~(笑)。」 つくづく思い知らされているのだ。

さて、先だっての南部遠征だけに限らないことではあるが、
練習試合終了後、相手の監督始め、スタッフの皆さんと談笑することは、
楽しみの一つであるし、練習試合以上に勉強されられていることが多々・・。
そんなこともあってか、必ずと言っていいほど、野球談義に花を咲かしている。

「昨日までは大爆発した打線が今日は沈黙・・。」 なんて嘆きの言葉をつぶやくと、
「自分らもそうですよ~。」 そんな言葉に賛同する意見が出てくる。

ま、「隣の家の芝生は青い」の論理ではないが、他のチームの良さが際立ち、
はた、自分らのチームは・・と振り返ると、この論理がぴったりと当てはまる感じがして、
自分ちの芝生がもう少し青かったら・・と、ますます嘆きのつぶやきが大きくなる。


そんな中、東風平星のエース君が、唐突に自分の所へやってきて、
「今日の自分のピッチングはどうでしたか・・?」 そんな質問をぶつけてきた。
「へ?」 いきなりの質問に戸惑っていると、東風平のコーチ曰く、
「チーム内での評価より相手チームからの感想をいただけたら・・。」ということらしい。

「ほお~。」 記憶を引き出す限り、今までそんな質問を受けたことがない。

先ほどの東風平のコーチが繰り返す・・。
「いつもの子供らを知っている中での評価より、いつもの子供らを知らない
相手チームからの意見がとても参考になっています~。」とのこと。
「ほお・・。」 ということは、意見を求めているのは自分らだけじゃないってことか?
練習試合を行うたびに、そのようなことをやっているかもしれない。

「いやいや、ナイスピッチングだ・・。自分らが手も足も出ないし。」 素直に認めた。
実際、自分らの1点は相手のミスでの得点のみ・・。単発でのヒットはあるものの、
ここ一番での得点機では、このエース君に完全に抑え切られたのである・・。

・・そればかりではない・・。
牽制球にしろ、投球術にしろ様々な高い技術を見せつけられた。
それと、何と言ってもエース君のフィールディングは圧巻・・。
送りバントを二度とも封じられ、得点機をことごとく潰されてしまったのである。

「・・で、そうなるためにはどんなことをしているの~?」 今度は自分が逆質問。
「いえ、特には。」 謙虚に答えるその雰囲気からもすごさが感じ取られる。
「勉強は?家の手伝いは?」 続けざまの質問に困惑の表情を浮かべている。
「あ、いろいろ聞いてごめんね~。」 何らかヒントを得たい思惑をヒシヒシと伝えた。


ま、我々にしても、「隣の家の芝生は青いな~。」 ただ見とれている気は毛頭ない。
自分ちの芝生も益々青くなるよう、他の家(練習試合相手)から養生の手ほどきを受け、
それを十分に活かしていく・・。それがお互いの意見交換の神髄なのである。

そして、芝生を青くさせた方々(監督やコーチ、父兄など)たちの話だけじゃなく、
青くなった芝生自身(子供ら)の意見や話聞くことも大切・・ということを感じた。
自分自身で青くなるための努力や頑張りを、青くなってほしい子に聞かせてやりたい。

そのことが一番効果があるのでは・・と、ふと思った次第なのである。





「また今度、お相手させてもらっていいですか?」 エース君に丁寧に尋ねた。
「・・。」 何となく、はにかんだ表情を見せていると、コーチが助け船を出す。
「はい分かりました~って言いなさい・・。」 エース君の頭を押さえ、お辞儀を促す。

日々見慣れている子供らの変化については、ついつい見逃してしまうことが多々。
指導者はしかり、父兄も交えてチーム全体での「気づき」の仕組みづくりが必要。
しっかりと気づいてあげることができれば、良いことはさらに伸ばしていけるし、
うまくいかないことがあれば、正しき道への修正をつけてあげることもできるはずだ・・。

それは野球だけではなく、野球以外においても大切なことである。

「気づくこと」の大事さを改めて痛感・・。
まさに、自分らが気づかないことを「気づかされた」・・ような思い。


・・そんな「気づき」を「築いて」いきたい・・。