遅いチーター。

UMUサン

2018年01月30日 23:40

さて・・。炬燵に入って、おかんと二人で報道ステーションを見ていると、
スポーツコーナーでスピードスケートの小平奈緒選手の特集をやっていた。

ここ最近、世界選手権大会などで負けなしの金メダル連発の絶好調。
ソルトレイクシティーの大会では1000mで世界新記録をマークするなど、
あとわずかに迫った平昌オリンピックでの金メダル候補最右翼・・らしい。

そんな小平選手も、前回のソチオリンピックでは500m5位入賞、
1000mに至っては13位と納得のいかない成績であったとのこと。

その後はオランダへ1年間、練習拠点を移し、日本に帰ってきてからは、
古武道、整体、精神、運動力学などを取り入れた独自の練習方法を行う。
彼女の理想は豹や、チーターの走り方のように身体の全ての筋肉を
使って走る・・・ということだそうです・・。

中でも背骨のひとつひとつを動かし、使い切れていない部位まで使うことで、
身体全身で、より速さを求める試みを実践していると専門家の話・・。
「ほお~。」 炬燵に足を入れながら興味津々で食い入るように画面を見つめる。
「やっぱ、オリンピックに出場し、金メダルを目標にしている選手だね~。」
おかんが炬燵布団を肩までかけるような格好で感心しきりである・・。

そんな小平選手のように野球の練習にでも取り入れることができるのであれば、
なんて、頭に浮かびもしたが、そこまで徹底的にやれるのは無理なことであるし、
・・その前に、我々はオリンピックで金メダルを狙っているわけでもない・・。

とりあえず、目前に迫る春季大会にベストパフォーマンスを尽くさなければ・・って、
速攻で現実の世界に引き戻された・・ということである。


そんな小平選手の走りをビデオで見ながら解説コメントをしているのは、
長野オリンピック500mで、日本のスピードスケート選手としては初となる
金メダルを獲得した清水宏保(元)選手である・・。
「まるでチーターのような走り・・。」 そんなコメントを流しながら、
テレビ画像にはチーターが疾走する映像が映し出されている・・。





その時、ふと思ったことが・・。チーターの中でも遅い奴もいるんじゃね~のって。
「おかん~、チーターの中でも遅い奴っているんじゃないの~?」 質問。
「え~、チーターで遅い奴っているのかな~?」 アホなこと言うなあ~って視線。
「しかし、人間でも足の速い遅いって奴がいるように、チーターにだって・・。」
「・・。」 アホらしくて真剣に答えられんってばかりに目を細くして睨んでいる・・。

「一緒に狩りをしている時、『お前、なんで遅いば~!』って思いながら
獲物を追いかけているとか・・。『お前のせいで逃げられたし~。』 なんてこと。」
「・・その前に、チーターって集団で狩りはしないんじゃね~の。」
こと動物には関しては詳しいおかん・・。小さい頃は動物図鑑が愛読書だったとか。

「しかしだな~・・。」 もう~小平選手の話題はすっ飛んでしまっている。
「もう~寝る・・。」 バカな話には付き合っていられないとばかりに寝床にスタコラ。
「・・。」 自分も炬燵布団を肩までかけて深々と沈み込んだ・・。

ん?待てよ・・。足の遅いチーターがいるのであれば、他の動物だって。
気弱な百獣の王ライオンだっているかもしれないし、ワニや象だって・・。

もはや、妄想の広がりを止めることができなくなってしまった~。


何もない今宵は、いろんな物思いにふけながら更(ふ)けていくのであった・・。