さて・・。新生サンガーズが始動して約2週間弱が経過・・。
思いもしなかった早めの冬の終焉に、引退した6年生とともにA代表チームの
一員として頑張った新生サンガーズの中心となる5年生のメンバーは、
気持ちの切り替えも不十分なまま、慌ただしく一歩を踏み出した・・ということなのだ。
終焉となった翌日、間髪入れずに新生サンガーズの初練習。
「・・・。」 急に寒くなった気候同様、何となくすきま風が吹き抜けるような
気持ちを抱え、元気もイマイチでキャッチボールを始める。
‥仕方がない。昨日の今日で気持ちを切り替えろ~っていうのは無理なこと。
少し元気のないグラウンドの光景は、今の子供たちの心境を物語っている。
しかも、5年生のみの練習なので、わずが10名足らず・・。
新たにA代表チームに加わる予定の4年生らは、まだ大会を残しているため、
チビッ子チームでの活動が残っている・・。いっそう閑散とした感じがする。
その日の練習後のミーティング。
「もう~お前らが主力だ・・。チームを引っ張っていくんだぞ。」 あえて声を大にする。
「・・はい。」 十分に理解しているはずだが、まだ気持ちが乗らないようだ。
「う~ん・・。」 やはり、6年生の存在は大きかったようだ。
6年生を追いつき追い越せと頑張ってきた5年生が目標を失ったのも無理はない。
しかし、頼りとなった先輩たちは引退し、次にこのチームの歴史をつなぐ世代は、
必然とこの5年生になっていくのである・・。
そんなスタートを切ってから2週間・・。チームの活気は少しづつ取り戻してきた。
いつまでもクヨクヨしても始まらないし、A代表チームとしての自覚も芽生え始める。
引退した6年生を追いつき追い越せの思いはさらに強くなり、新たな目標が生まれた。
「去年より強いチームを・・・。」 この5年生がチビッ子時代に掲げた目標である・・。
引退する先輩たちが4年生の時のチビッ子時代も強かった。
その先輩たちのチビッ子時代に掲げた目標は、「全大会優勝・・。」であった。
そして、今の5年生が3年生の時、やはり「追いつき追い越せ」が大きな道標。
そんな強かった先輩たちがチビッ子時代を引退し、チビッ子チームの後を引き継いだ
今の5年生も先輩たちに負けじと必死に頑張ってきた・・。
強い先輩たちより強いチームを・・。それが「去年より強いチームを・・。」であった。
そして、この5年生らはチビッ子時代にその目標をしっかりと果たしてくれたのだ。
「引退した先輩たちも強かったが、その思いを受け継ぐお前らもその素質はある。
チビッ子時代にそれを証明してくれた・・。またそれを実現するのだ・・。」と。
「はい。」 2週間前までは感じられなかった強い思いが表れ始めてきた。
引退した先輩たちが強かったことは、今の5年生が身近に感じている。
その5年生は、最強の6年生に負けじと食らいついてきたとの自負がある。
現に食らいつけていたし、時には5年生の力が先輩たちを助けてくれた。
ともに競い合ってきたDNAは、先輩たちが引退した後も引き継がれていく。
「去年より『絶対』に強いチームを・・。」
その思いを再び胸に、新生サンガーズが始動する~!