サンガーズ奮闘記

まあ～最近ではすっかりと懐かしく待ち望む光景となっているが・・。

試合前、ベンチ前で選手が円陣を組み、「わ～わ～。」 選手たちが
声を掛け合いながら円陣のつくり、押し合いへし合いしながら
「気合い入れて行くぞ～。お～！」 いわゆる一つの儀式みたいな・・。
チームによってはいろんなタイプがあって、かけ声のみだけのもあるし、
口笛を鳴らしながら～ってやつもある・・。様々な気合いの入れ方があるようで。

各地の学童野球では良く見る光景だ・・。

今から数年前・・。たしかシーズン最後の公式戦、冬の大会だったと思うが。
午前８時の開会式の準備で朝一番でグラウンドに向かった時のこと。
まだ朝日も昇らない薄暗いグラウンドのレフト側である集団を見かけた・・。
「ん？」 目を凝らせば開会式後に第１試合が組まれているチームである。

「なんだ・・。」 短く刈り上げた坊主頭の子供らが胸で手を合掌して円陣。
何か異様な光景・・。冷たく張りつめた空気がいっそう場を引き立てている。
すると監督が円陣を回り、ひとり一人の子供らの肩を後ろから叩きながら
子供らの頭の上にひとつまみした「塩（？）」をのせ、両肩を揉んでいる・・。

「なんだなんだ・・。」
そう思いながら近づくと、「おはようございます～。」 子供たちの元気な挨拶・・。
その声にチームの監督も振り返り、「あ、おはようございます・・。」 気づく。

「どうした～？UFOでも呼んでいるのか？」 笑いながらそう言うと、
「あはは・・。いや～最後の大会なんで気合い入れようと思って。」 苦笑い。
「・・。」 そんな思いは十分に伝わる・・。ましてや最後の決戦の前だ。

最後の決戦に最高の結果、素晴らしい思い出を・・と願うのは当然。
監督からすれば異星人でも野球の神様でも何でもいいから祈りたくなる心境・・。

いずれにしても・・。その「儀式」にはそんな強い願いが込められていると感じた。







《 オールブラックスの「ハカ」とトンガの「シピタウ」・・。
　いずれも史上最強の「儀式」じゃないかと・・。》


そんな中、我らサンガーズも過去にはいろんな「儀式」をやった次第。
ま、自分たち自身でモチベーションを高めるひとつの方法であるならば
特に制限をかけることなく、楽しそうにやっている様を眺めているのだが、
ただ楽しくやるだけじゃなく、何らかの意味を持ってほしい・・。

「グラウンドに立てば、いろいろ考えなくちゃならない。自分自身のことや
　同じグラウンドに立つ仲間同士でしか助けられないぞ～。監督、コーチは
　ただただ見守るだけだ・・。ここ一番での勝負やピンチの陥った時など
　その時こそ仲間で支え合うことが必要だ・・。」 なんて・・。

例えば、「儀式」の中で気合いを入れ合うことはもちろんだが、
仲間のつながりを確認する、さらに強さを深め、それを最大限に活かす・・。
そんなつながりを練習の中だけで培うのではなく、他愛もないことで効果が
あるのであれば、「儀式」もまんざら無駄なことでもない・・。

もしかしたら、逆に必要なものになってくるのではないか～ってね。

そんな「儀式」の完成度が気になり、比重を置きすぎてもいけないことは承知。
まずは日頃の行いの中で仲間のつながりは強くし、「儀式」でもってパワーアップ。

まさか・・。「儀式」がうまくいくか否かでその日の調子の善し悪しはないだろうな～。


そんな「儀式」の光景に早く出会えるよう待ちわびて首が長くなりそうである・・。