サンガーズ奮闘記

うちのチーム、「必殺！仕事人」的な奴がいる。

その名は～、６年生の岸本竜・・。

守れば、颯爽としたステップでボールを捕球したあと、
ファーストへ矢のような送球でバッターランナーを刺す・・。

そのあと、クルっと振りかえって、ショートストップ（遊撃手）の定位置へ・・。
ガッツポーズするわけでもなく、喜ぶ表情もすることなく、当たり前のような感じで。

「竜～・・ナイスプレー～。」 そんな声にも、左肩越しに振り向き、
キリっとした顔を覗かせる・・・。

彼が動けば、「必殺！仕事人」の仕事人が仕事をする時の、
「チャラチャ～ン、チャチャチャチャチャ、チャララ～ン～」 みたいな
バックミュージックが聞こえてきそうな気さえする・・。

そして、バッティングでもその仕事人ぶりを発揮してくれる。
３番でありながら送りバントやスクイズなどを難なく決めるなど、
打撃力が持ち味のチームにあって、彼の「仕事」は蜂の一差し。
出されたサインに表情一つ変えず、実行する姿は玄人好み・・。
一発で仕留める「仕事」は、まさに大きな戦力となっているのだ。

しかし、打つ方も仕事人・・。アウトローの速球を狙ったかの如く、
右方向への打球は見本となる打ち方を見せ、こちらの望んだとおりの打球。

先だっての練習試合の時・・。２死２塁に煌典を置いた得点機。
そして、迎えた３番の竜の打席。

「チャラチャ～ン～・。」 お・・♩ あの音楽は～。

そんな先制点のチャンスでの初球、長刀一閃～（ま、バットも少し長めだし・・。）
振り抜いた打球は、あっという間に、二遊間真っ二つでセンター前に抜けていく。
我らのチームを勢いづかせる同点タイムリーヒットとなったのである・・。

しかも、なんか・・構えた肩の位置からバットが出たのではなく、
ズボンのベルトにバットを差していて（そ、刀みたいに・・。）、
そこから居合抜きみたいに、バットを振ったのではなく、抜いたって感じ。

そんな状況でも、一塁ベース上で、いたって冷静・・。
ガッツポーズを催促した自分に、左手をあげて応える。

「・・。」 おいお～い、そんなに冷静だと自分が恥ずかしくなるではないか～。

ま、普段の時からクールな雰囲気なんで、おちゃらけた感じは見えない・・。

しかし、内に秘めた闘志は誰よりも熱いものがあると思うのだ。
エラーしたり、凡打したりした時の表情は、人一倍悔しそうな顔をしてる。
そして、失敗した後のプレーはいつも全力かつ積極的・・。
まあ～ビビっていないしね。

また、どんな状況におかれても自分のプレーに徹するし、
バッティングが低調であっても何かをやってくれそうな雰囲気を持っている。
送りバントとスクイズのサイン以外は、「どうにかやれ。」 そんな期待を込める。

まあ～そういう意味では、ホントに頼れる限りです。





さあ～やる時はやってくれる、うちの仕事人・・。
これからもどんな活躍を見せてくれるのか～。

「チャラチャ～ン、チャチャチャチャチャ、チャララ～ン～。」


この音楽が流れれば、何か「仕事」をやってくれるはずだ・・。