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2016年05月10日

今こそ乗り越える時・・。

さて、我らサンガーズ、右のエースの皓太朗(5年)が右肩故障で戦線離脱中・・。
何やら右肩の軟骨に異常があるとの診断で、「1ヶ月は投げるの禁止」命令が下っている。

大会が直前に迫ったある夜、「監督~、実は・・・。」って親父のリーキーから一報が入る。
「・・そっか~。」 リーキーの電話の前にAチームのKAORU監督から情報が入っていたんで、
そんなに驚きはないものの、電話口の親父のへこみ口調に同情を感じた・・。

たしかにここ最近、皓太朗のピッチングに違和感を感じていた。
ボールは走っていないし、無理して強く投げようとしたら高めの浮き球が多い。
緩急をマスターしたのかと思うぐらい、スローボールを多投する・・。

・・速く投げなかったんじゃない、投げられなかったのである。
まあ~これまでの違和感の理由が分かっただけでも良かった~って感じた。


「ま、今無理する必要はない・・。じっくりと治すしかないね~♪」って明るく答えたが、
その言葉が慰めになったかどうかは定かではない・・。

「う~ん・・。」 ちょうど会議中の電話だったが、会議どころではない。会議資料にメモを走らす。
「え~、ピッチャーは胡珀(5年)と智大(5年)と・・、え~あとはどうするか・・。」
ピッチャーできそうな子を羅列する・・。そうなれば自然と守備位置も工夫しなければなるまい。

しかも、皓太朗は主軸の一角・・。打線も組み合えが必要だ・・。
「え~、え~、え~・・。」 会議はそっちのけ。どっぷりと思案に耽ってしまったのである。


大会を明日に控えた前日、練習試合を行った時のこと・・。
練習試合を終えて、駐車場に向かう途中、レフト側の石垣に皓太朗がポツンと座っている。

「あら♪」 声をかけた。・・当然、この日の練習試合は出場していない。
「どうした?」 すると、少しだけ顔をこちらに向け、すぐに顔を下に伏せる。
・・何やら元気がない。 「・・・。」 ま、理由は分かっている。
「なんだ、試合に出たかったのか~?」 下を向いたまま軽く頷く。

「う~ん、気持ちは分かるが、怪我人は試合には出せないからね~。」、
その言葉が無情に聞こえたのか、うっすらと目には涙が溢れそうになっている。
気持ちは分かるが、今は我慢の時だ・・。そんな思いを持って見つめていると、
隣にいて、話を聞いている皓太朗母も涙を拭っている。・・少しジンときてしまった。


・・過去に、故障で野球をしばし中断せざるを得ない子らを何度も見てきた。
部活では一応大人しくしているが、学校や家に帰ると静養しない、自粛しないもんだから、
故障がいつまでも良くならない、長引く・・。結果、復帰が遅れてしまう・・などなど。

遊び盛りで野球大好きの子供たちに、大人しくしてろってのが無理な話ではあるが、
無理を押し通してでも実行しないと、よけいに復帰へ道は遠くなってしまうのだ。

皓太朗も親もそんなことは重々承知している・・が、実際、目の前で野球を見ると、
分かってはいるけど、寂しさが湧き出し落ち込む。そんな我が子を見て親もへこむ・・のだ。

「今は我慢しないと・・。」 皓太朗の頭をなでると、「・・はい。」との返事。
そうだ・・。今は耐えて耐えて耐え抜くしかないのだ・・。


今こそ乗り越える時・・。


「しばらくは、走り込みをさせます・・。」 あの時、リーキーがそう言っていた通り、
おもむろに皓太朗が立ち上がり、グラウンドの外周を走り出した。
しばらくその様子を眺めていると、野球ができない悔しさを振り払うかのように加速する。
1周、2周、3周・・と、ペースを落とすことなく必死に走り込む・・。

「おお~、その調子だぞ~!」 激励がグラウンドに響き渡る~♪


・・晴れて復帰する時、想像を絶する進化に歓喜の声をあげるかもしれないぞ・・。





Posted by UMUサン at 21:45│Comments(0)
 
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