サンガーズ奮闘記

・・この前だったが、朝から那覇の総合福祉センターで会議の連戦・・。
まあ～朝は２時間、午後は４時間と・・、頭がパンクしそうになりました（笑）。

会議を終えて帰ろうと駐車場に向かう頃は、すでに５時を回っている。
すると、総合福祉センターのすぐそばにある小学校のグラウンドから
元気な声を聞こえてきた・・。少年野球の練習をやっているようだ。

「お、気分直しに少し見学でもしていくか～。」 道路の縁石に腰掛けた。





「が～・・、どこに投げてる～！」「ちゃんと真面目にやれ～！」
コーチらしき人の檄が飛んでいる。・・どうやら低学年の子供たちのようだ。
グラウンドの向こう側では高学年チームだろう。少し体も大きい感じがする。

そのチビッ子チーム、キャッチボールをしているが、
まあ～ちょこっとひどい。キャッチボールになっていない・・。

特に、自分の目の前の子供らは、わざ（？）と暴投しているように見える・・。
対面になって向こう側の子が暴投すると、受けている子も暴投している。
しかも、相手に向かって投げず、横に投げている。
「お前しっかりしろよな～。」って言いながら、暴投したボールを取りに行って、
返す球も相手に向かって投げていない。わざと横に投げているみたい・・。

つまり、暴投された仕返しに暴投するといったようである・・。

その暴投したボールを取りにいった子が、またまた横に投げる。
ボールと取りにいった子がまた横に投げる・・。
そんな暴投の繰り返しをずっとやっているではないか。

キャッチボールって言うより、ちょっとした走り込みだ。

「あははは～♪」なんか見てて楽しい気分になってきた。
会議で重くなった頭の中身が軽くなっていくようである・・。

どこまでそんな「変なキャッチボール」をやるか関心を持って見ていると、
「お♪」 少し動きが変わってきた。

わざと横に投げ続けているのをお互い気づいてきたんだろう・・。
投げる時に踏み出す左足（その子は右投げ）を見て、投げる方向を予測し、
その方向にすでに走り出して、ボールを取る～ってことを「学習」し始めたのだ。
相手の子も同じような動きをして、わざと暴投するボールを取り始めたのである。

ま、そんな投げ方と取り方をするので、
お互い、キャッチボールの対面がどんどん回転し始めている。

「がはははは～♪」 こりゃ～面白い・・。笑いながらも感心してきた～♪


いや～、指導者がいちいち教えなくても自分たちで考え、工夫し、
それがひとつの練習となっている・・。
当然、キャッチボールは送球の練習なんで、指導者は「真っすぐに投げろ～！」って
そんな指導するとは思いますが、その子らのキャッチボールはボールが
どこにいくか（投げるか）と言うことを予測しながら受けているのだ。

通常のキャッチボールでは、自分の方向に相手が投げてくるもんだと
思いながらやるもんだが、この子らのキャッチボールはどこにボールがいくのか
予測がつかない。 （ま、普通はそんなのはキャッチボールとは言わないけどね・・。）
つまり、通常のキャッチボールにはあり得ない「要素」が盛り込まれているのだ。

「・・・ほお～。これは『新型キャッチボール』かもしれない・・。」

驚愕した（笑）気持ちになって、これからどのような展開になるか目が離せなくなった。

すると、投げる横方向がいつも一緒だと予測されると気づいたのか、
予測がつかないよう「フェイント」をかけ始めた。簡単には投げない・・。
「おお～、これは。」 この子らの「新型キャッチボール」はどんどん進化していく。

もはやこれは、キャッチボールの域を超えてきている～！

多分、その子らは２、３年生ぐらいだったと思う。
練習と言うよりかは、どちらかと言うと遊びであったかもしれないが、
ただひとつ言えることは、自分たち自ら考えてやっているって言うこと・・。

もしかしたら、この「新型キャッチボール」がこれからの彼らの野球に
活かされていくかもしれないし、何が役立ってくるのか分からないのである。


・・チビッ子にはあまりごちゃごちゃ言わない方がいいかもしれない。


「お～い・・、お前らいい加減にせーよ～！」コーチからダメ出しが出されてしまった。
この子らのファンとなった自分からすれば、もう少し見ていたい気持ちではいたが、
集合がかかったんじゃ～仕方がない・・。向こう側に走り去っていった～。

いやはや何とも・・。楽しくも勉強になるものを拝見させてくれた。

「お前よ～、いい加減にせーよ。」 とかなんとか言っているのか。
お互いに背中をグラブでつつき合っている・・。


走り去るこの子らに、拍手を送りたい気分になったのは言うまでもない・・。