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2018年01月17日

「つなぐ人」・・。

去った6年生送別大会での話・・。

「え~6年生送別大会は6年生の最後の大会ってこともあるんで、
基本的にはノーサインでガンガン打っていこう~って思っているけど。」
聞いた6年生、「わ~い・・♪」ってな具合でひととおり喜ばしたあと、
「ま、例外な奴もいるけどね~。」 付け加えると、みんな一斉に沈黙。

そんな中、キャプテン優介の「沈黙度」が際立っている・・。
「どうした?優介~?」 声をかけると、「あ、いや・・。へへへ。」 苦笑い。
「・・・。」 何かしら警戒しているような雰囲気が漂っている・・。

うん。お前が警戒する意味を分かっているぞ~って言わんばかりに微笑み返し。
・・たぶん、お前の思っていることを自分も思っているのだ~♪

しかしなんだな~、彼ら6年生の公式シーズンはガンガン打ってきた訳で、
今さら宣言するのもなんだな~って感じた次第である。
しかも、6年生から見れば、元々からサインは出さなかったくせに、
「あれ?特に宣言しなくてもいいじゃん・・。」って思われているだろうしね。


そんなことで、6年生送別大会がスタートしたわけでありまして。
初戦の大北オーシャン戦、初回から宣言通りガンガン打ちに出た。
案の定、ノンプレッシャーってこともあってか、1イニング10点奪取。
結果、10対0の3回コールド勝ちを収めたのだ。

続く準々決勝戦の数久田少年野球戦でも同様・・。中盤からエンジンがかかり、
合計13得点・・。この試合でも圧倒し、6回コールド勝ちで突破を果たした。

そして、迎えた最終日の優勝決定戦・・。
相手は名護ブロック屈指の強豪チーム、名護すいらんマーリンズさん。
手ごわい相手ではあるが、何としても勝ち抜いて初優勝を成し遂げたい。

さあ~試合開始・・。2回の攻撃、先頭の4番皓太朗が出塁・・。
5番の元もヒットで続き、無死1.2塁と絶好の先制のチャンスが訪れる。
迎えるは6番キャプテン優介・・。ゆっくりと打席に向かう。

打席に向かう途中、優介はベンチにいる自分と視線が合う。
お互いの頭の中で考えていることは一緒・・。「送りバント」のサインを送る。
すると少し表情が和んだ。「・・やっぱり~。」 そんな感じにも見える。

6年生最後の大会であっても、やはりここは勝負をかける大事な場面・・。
「ここはバントで行くぞ・・!」 無言でその意思を強く伝える。
キャプテン優介「・・・。」 無言で自分を見つめ返す。緊張感が伝わる。

すると、打席を外し、2、3度スイング・・。視線は自分に向けたままだ。
「・・。」 無言の優介が見つめる。「分かる!言いたいことは分かるぞ~!」
「しかし、この試合絶対に勝って優勝するんだ~!」 再びバントのサイン。

そんな自分の気持ちを汲んでくれたか、優介が意を決したように打席へ。
「よ~し!そうだ・・行くぞ~!」 サインを繰り出す両手に力が入る・・。

「コツ・・。」 初球、絶妙なバントが3塁寄りに転がる。
公式戦さながらの緊張感MAXの場面できっちりと仕事をやり遂げるあたり、
まさに「必殺仕事人」のようだ・・。ベンチから大歓声が沸き起こった・・。


「つなぐ人」・・。

「つなぐ人」・・。

「彼のバントする姿がたまらなくかっこよく大好きである・・。♪ 」


優介がベンチに戻るなり、子供らや父兄からはハイタッチの嵐。
「良く決めたぞ~!」 優介に声をかけると「はい・・。」 満面の笑みで応える。
そのあと、後続の打者の連続タイムリーヒットでこの回、ビックイニングを演出。
一気に試合の流れをつかんで、そのまま勝利し、初優勝を決めたのだ。


まさに、「必殺仕事人」・・。そんな献身的なプレーこそ彼の真骨頂・・。
ど派手な打撃が売りの打線にあってひと際存在感を見せるスタイルが
何とも言えず、玄人好みの渋いプレーヤーなのである・・。

「ガンガン打っていこう~ぜ。」 そんな中では、彼の良さは見られない。
プレーなり、キャプテンの役目なり、「つなぐ」ことが彼の最大の持ち味である。


「つなぐ人」・・。


彼は・・。最後まで自分のスタイルを貫いた最高のプレーヤーなのだ・・。





Posted by UMUサン at 22:50│Comments(0)
 
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